人混みに流されながらも、ようやくPC用品売場に到着した。

いやぁ…気持ち悪くなって吐くとこだった…危ない危ない。

なんでこんなに人がいるんだろ。人混みって酔うんだよね。


…さて、イヤホンを探すか。

イヤホンは簡単に見付かった。ついでにウォークマンも今使ってるのより容量が大きい物も見付かった。

よーく吟味する…はずもなく、適当にそれらを手に取り、レジに並ぶ。無事に買えた。


帰ったらさっそく移そう。今はまだ使ってるやつで我慢だ。


もともと持っていたものに新しく買ったイヤホンを挿して耳につける。

曲を流して外界の音をシャットダウンした。


…よし、任務完了だ。後は家まで無事に帰るだけ。

エレベーターホールに一番近いと思われる台所家電コーナーで、色々と目移りしながらエレベーターに少しずつ近付く。

エレベーターホール直前のとこで、モモと例の怪しい集団がみえた。

なんだか焦っているようにもみえるけど…あれ?猫目の人がいない。


モモが私に気付いたっぽいので軽く手を振…ったとこでそれは聞こえた。


―…ァン…!


…?え?何の音?イベントかなんか?…まぁ関係ないし帰ろう…か…。


一歩踏み出した時、防犯シャッターらしきものが音を立てて降りる。近付いていたはずのエレベーターが急に遠退いた気がした。


「…え、何これ誤作動?…そういやモモ(と愉快な仲間達-1)は…」


駆け寄って触ってみたがびくともしなそうだ。まいったなぁ…早く帰りたいのに。


すぐに小さい通路の奥にいたモモ(と愉快な仲間達-1)を見付けた。

モモが私に何か言いたそうにしてるが、側の目付き悪い人に口を塞がれている。

しかし、私にはモモの叫びが聞こえた。


"後ろ!!"


「…え?」


私は無精髭を生やしたスニーキングスーツを着ている大柄な男が、拳銃を持って近付いていているのを見てようやく理解した。


これはイベントどころの騒ぎじゃない、と。


いつだって非現実は唐突に
((…まずったなぁ。大きい音量で聴かなきゃよかった))


(団長さん!フミが!お兄ちゃんが!!)
(落ち着けキサラギ!今出て行っても捕まるだけだ!!)

((…今の奴、俺達の姿が見えていた…?))




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