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誰かの部屋に…そうだ、マリーの部屋にお邪魔しよ。
きっと怖いのを紛らわす為に本かなんか読んでるだろうな。
なんて、思っていた時期もたしかにありました。
「おじゃましまーす………!?」
なんかベッドの上が盛り上がってる!そしてなんか小刻みに震えてる!?
こわっ!あれも立派なホラーだよ!
「…えっと、マリー…?」
「!セト!?………」
「…セトじゃなくてごめんねー」
声をかければガバッと毛布を取ったけど、セトじゃないと分かると固まった。
…これセト呼んだ方がいいかな。
「…セト呼んでこようか?」
「!だめ!行っちゃやだ!」
引き返そうとしたら、腕にマリーがしがみつく。
ヤバイこれなんて天国?
「行かない、で…独りに…しないで…!」
「!…大丈夫。ここにいるから」
よしよしとマリーの頭を撫でる。髪の毛フワフワしてるー。なんか気持ちいい。
…でも、
「…あのさ、ここにいるから手を離して?動きづらいから」
「………うん」
手は離したものの、私の服の端をしっかり掴む。
なにこれ可愛い。
「マリーどうしたの?寝る前のDVDが怖くて寝れない?」
ベッドの上にマリーを座らせて自分も座ってからきいてみる。
マリーは首をふるふると横に振った。
「じゃぁ…どうしたの?」
「夢…」
「…夢?怖い夢を見たの?」
「うん…お母さんがいなくなった夢」
あー…それは随分またディープな…。
マリーのお母さんがどうしていなくなったかなんて聞いた事ないけどね。
別に仲間だからって全部知る必要なんてないし。
「でもそれは夢でしょ?そんな怖がらなくても大丈夫だよ」
「…みんなが、」
「え?」
「いなくなるって…」
あぁなるほど、お母さんがいなくなった夢見て私達もいなくなるかもって錯覚しちゃったのか。
「…大丈夫、私はここにいるよ。セトもキドもモモもカノも、皆いるから」
「…ひっく…う、ん…」
そっと包むように抱きしめれば、マリーは声を押し殺して泣き出した。
本当に大丈夫だよマリー。安心して。誰もマリーを置いていかないよ。
キドもセトもカノも、皆優しいじゃん。きっと不安なんて吹き飛ばしてくれるよ。
「…マリー」
「…っく…ん…?」
「朝までだけど一緒にいようね」
「…うん…!」
眠れない夜は怖がるマリーと朝を待とう
(…マリー?)
(…………)
((あれ?…はやっ!もう寝ちゃってる…))
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