寝れない時って牛乳がいいんだよね。
さっそく牛乳飲もうと思ってキッチンに来たんだけど…。
「………」
「………」
「……キド」
「……(ギクッ」
「キド、いるよね」
「…やっぱりバレたか」
いや、キドの能力って私には無意味に等しいから。
…たまに抜けてるんだよなぁキドって。
「…寝れないのか?」
「うん…キドも?」
「いや、俺は別に…ちょっと喉が渇いて…」
「…だから私に嘘は通じないって。寝れないんでしょ?」
「………………………あぁ」
うわ、たっぷり溜めた上に小さい返事。
…でも以外だなぁ。
「まさかキド団長さんがお化けが怖くて寝れないなんて」
「!ち、違うぞ!俺は幽霊なんか怖くない!ただ、ちょっと苦手なだけで(ゴニョゴニョ」
いやもうバレバレだから。
マリーの悲鳴にも驚いてたもんね。
冷蔵庫から牛乳を取り出す。マグカップも二つ取り出す。
「なにを?」
「ホットミルクを作るんだよ。寝れない時は牛乳がいいんだって。キドも飲むでしょ?」
「…飲む」
小さく頷くキドを見て小さく笑う。
キドってホント正直じゃないよねー。そこがいいんだけど。
「…ミヤマは、なんで寝れないんだ?」
「…え゙?」
「俺の理由だけ見抜かれて不公平だろ?」
「…い、いやぁ…その」
い、言えない。あんだけからかっておいて私も同じ理由なんて。
言ったらなんか…私の自尊心に傷がつく、気がする。
「べ…別に理由なんてないよ。寝苦しかっただけ」
「…ミヤマは嘘が下手なんだな。マリーやキサラギ並に」
「うわ…地味に傷付く」
マリーまでいくのか。モモならともかく。
いざとなれば上手いよ?…多分。
「………」
「いや、そんな睨まないでよ…分かった、降参。私もキドと同じくお化けが怖かったの」
「…やっぱりな」
キドはほっと息をつく…おーい、何安心してんの。てゆーか自分が怖かったってのは否定しないんかい。
「…私さ、最初キドは男で怖い人かと思った」
「なんだいきなり」
「でも、甘党だし可愛い物好きだしフリフリの服持ってるし」
「ちょっと待て、なんでそんな事知って…カノだな。あいつ明日フルボッコ決定」
「それに優しかったから…人って見た目で判断できないんだなーって」
「…そうだな」
「何よりからかいがいがあって可愛いんだよね、キドって!」
「か、可愛い!?…からかうのもいい加減にしろ!」
「からかってないもーん。ホントだもーん」
なんて話をしてたら、どうやら牛乳の温めが終わったみたい。
ホントはミルクパンがあればもっと美味しいのに…今度持っていこうかな。
だから今は電子レンジで我慢。
眠れない夜はキドとホットミルクでも
(…砂糖もっと)
(え?まだ入れるの?…凄い甘くなるよ?)
(それでいい)
→戻る