うん、携帯弄って紛らわすか。それがいいよね。


〜♪〜〜♪〜♪♪


「ふぉっ!?」


俯せになって携帯を手に取った瞬間、携帯が鳴る。

やべ、着信○リの着メロにするんじゃなかった。

マジで怖い。


「………」


画面に"非通知"の文字が出ればさらに怖いよね。

誰だよこんな遅い時間に非通知でかけてくる奴は!!

ちくしょー非通知は拒否にしておけば良かった…。


〜♪〜♪♪ッ


「…あれ?」


どうやら手が滑って通話ボタンを押してしまったらしい。

着メロが止まれば嫌な無音が訪れる。

…とりあえず話してみるか。


「…も、もしもし?」

『………』

「もしもし?い、悪戯なら切りますよ」

『………』

「…な、なんなんですかあんた」

『…わたし、メリーさん』

「!?」


メリーさんって、寝る前に観たDVDの…!?

今の言葉だってメリーさんから電話が来た時の…。


「ふ、ふざけんな!メリーさんなんて架空の存在だ!」

『…いま、』

「『あなたのうしろにいるの』」

「っやぁぁあ!!」

「ぐふぅっ!?」


後ろと携帯から同時に聞こえた時、思わず肘を思いっきり後ろに引けば思わぬ手応えが。

…ってゆーかなんか、聞いた事ある声だったんだけど。

恐る恐る後ろを振り向くと…。


「ぼ、ボディブローが…もろ鳩尾に…」

「…カノ」


思いっきり見知った顔があったよコノヤロー。


「…あんた何やらかしてんだ変態」

「やだなぁ。僕はフミが怖がってないか心配で心配で…」

「どの口がそんな事言ってんのかな?ん?ほら、言ってみ?」

「いひゃいいひゃい!すいはへん!もうひまへん!」


無言でカノの口を引っ張り、引っ張れなくなったところで手を離した。

思い知ったかバカヤロー。


「い、痛い…容赦ないなぁ」

「当たり前だ」


痛いとか言っておきながらもこいつは笑顔。

能力は私に通用しない筈だから、もう笑顔が定着してるんだろうな。

能力を使ってないのに笑顔とか、何こいつM?


「…でも、まぁ…一応お礼は言っておくから…ありがと」


私に能力も嘘も通用しない。

だから分かる。カノは…ホントに私を心配していたんだって。

たしかに怖がらせて来たけど、それは私を元気付ける為なんだよね…?

照れ隠しもあったんだろうけど。


「…フミ!」


お礼の部分は小さくなっちゃったけど、ちゃんとカノに届いたらしい。

カノはキョトンとした後、先程とは全然違う嬉しそうな笑顔になった。


眠れない夜は
カノと静かに騒ぐのも…いいかもしれない

(フミ可愛いっ!)
(ちょっ抱き着くな…どこ触ってんの!)
(痛い!)




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