( 長編のif話 )




体が咄嗟に動いた。動いた後 激しい痛みの信号が脳に届く。何故か喉がカッと熱くなり声が全く出なかった。ただ単にあまりの痛みに声を出せないだけかもしれない。悲痛な叫び声と泣き声を耳にしながら私はドサリと力無く倒れ込む。体から血液がどんどん流れ出ていき体が冷たさを帯びる。
ぐたりとしている私を抱き上げてくれる人の体温を感じ少し安心すると頬に温かいモノがぽつぽつと落ちてきた。
最後の力を振り絞って片手を彼の頬へ伸ばし撫でる。頬を撫でる手に縋るように彼の手が重なった。「名前…」掠れた声で私の名前を呼ぶ彼に 泣かないでと伝えたかったが口がゆっくり動くだけ声は出ない。またたくさん温かいモノが降ってきた。何度も何度も私の名前を呼ぶその声を聞いていると鼻の奥がツンとして私まで なきそうになった。




視界がボンヤリと滲み顔がよく見えない。
愛しいあの人の顔が、見えない、














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