「ぅ〜…、」


ソファーにぐったりと寄りかかっている名前を見ながら俺はグイっと残り少ない酒を飲み干す。飲み始めてから数十分経った頃にコイツは顔を赤くし「も〜無理です〜飲めませ〜ん」と笑いながらギブアップ宣言していたが、大丈夫だ お前ならまだイケると言いながら酒をコップに注ぎ足してやる。すると「これで最後ですからね〜」と笑いながら飲んだ。そのやり取りを何度か繰り返した結果がこれだ。

バッファローとベビー5はソファーに寄りかかってるコイツの顔や頭をツンツンして大丈夫?と声をかけている。言葉にならない声で返事をする名前にニヤける。
そんな彼女を眺めているとき、水を持ってくるように頼んだグラディウスが部屋に入ってきた。


「わざわざ悪いな」
「いえ大丈夫です。名前さん、水だ。」


水を受け取り一気に飲み干した後
彼女は ぼー、とグラディウスを見ている。「おいおい、顔真っ赤じゃねーか。名前さん大丈夫か」とグラディウスが声をかけると名前はにっこり笑って腕を広げた。その場にいる全員の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。


「おいでグラディウス」
「なっ」
「いいこ、いいこ、してあげる」


ぷるぷると震えているグラディウスが凄く面白い。俺は懸命に笑いを堪えた。ダメだ笑いそうだ。「よかったねグラディウスこんなチャンス滅多にないよ!」ベビー5の一言に更に震えるグラディウス。きっと葛藤しているんだろうな。飛び込みたい気持ちとプライドが天秤の上に乗っているのだろう。タイミングよく部屋にコラソンが入ってきた。キョロキョロと辺りを見回しているので名前を探しているのだろう。


「名前ならソコにいるぞ」
「……」


スタスタ部屋に入ってきて名前の顔を見て驚いている。コラソンに気付いた名前は腰に抱き付き頬ずりした。グラディウスの震えが止まり、固まった。コラソンも固まった。フッフッフッフと俺の口から笑いが零れる。

「うふふ、コラさん」
「…、っ…」
「大好きぃ」

ふにゃりと笑う名前。コラソンは動揺したのか顔を真っ赤にしながらコケる。抱き付いていた名前もソファーからずり落ちた。それでも尚、体を密着させて頬ずりをし続けている。その光景を見たグラディウスの頭が爆発してベビー5とバッファローはキャー!と叫びながら顔を隠す。しかし目の所はしっかり開けてあるのだった。






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