うつらうつら、眠りに落ちかけている時にローと名前の声が聞こえた。薄目で見てみると彼女は俺に毛布をかけてくれているのが少し見えた。心の中で感謝を言い このまま もう一度眠りに落ちようとしたがローとの会話の内容のせいで目が覚めた。

(…異世界?)

眠らずに2人の話を聞いていると、どうやら初めての会話内容ではないらしい。随分前だが名前がここで暮らすようになってから数日経った頃、一度だけ 家はどこだ家族はどうした、と聞いたことがあった。彼女は下を向いて ”とても遠いところに置いてきてしまった、もう二度と届かないところに置いてきてしまった。”と声を震わせて言い放ったのを今でもよく覚えている。
まさか本当に異世界から来たのかとグルグルと頭の中で回っている時 ローの「さみしくないの」という質問で空気が変わったのを感じた。








「すっごく、さみしいよ」







その声に胸が締め付けられる。てっきり彼女はここでの暮らしを楽しんでると思っていた。毎日 屈託の無い笑顔で、楽しそうに過ごしていたから。抱きしめてやりたい、守ってやりたいという思いがふつふつと湧き上がる。これからは もっと、今よりも側にいよう。彼女の家族の存在より大きくはなれないと思うが、それでも、寂しい思いなどさせないように俺が側にいよう。







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