ごめんねダーリン



2015.5.16のスレミクのワンライでチャレンジしたSSです。
お題は「カラバリ衣装」「悪戯」でした。
ちょっとえろっちいのでご注意ください。

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「スレイ、これは何の悪戯だ?」
「ミクリオ、おとなしくして」

スレイはそう言うと、大きな手でミクリオの白い手首を掴み、シーツに縫いつけた。
いつになく強い力に、ミクリオは思わず眉をしかめる。

普段優しい光を湛えた緑の瞳は今、静かな焔を宿していた。
身にまとった黒い服は、まるで闇に属する者のようだ。
それが、より一層ミクリオを不安にさせる。
もしや、スレイは穢れに染まり始めているのではないか。
そんな恐ろしい考えが頭の隅に浮かぶ。

と、その心の内を読んだかのように、スレイが口を開いた。

「ね、ミクリオ。俺はもう、ダメかもしれない」
「ダメって…、一体どういう……、っ、」
皆まで言い終わらないうちに、唇をふさがれる。
ひとしきり咥内を蹂躙してから、スレイは呻くように言った。
「このままじゃ、俺は闇に飲まれるかもしれない…。だから、ミクリオ」
――――――――して。
耳元で囁かれた言葉に、ミクリオは目を見開き、その頬が朱に染まった。
だが、ややあって、彼は意を決したように頷いた。
「わかった。君が、それを望むのなら……」

*********

「……ちょっとやりすぎちゃったかなー……」
数時間後。
ひとしきりミクリオを堪能したスレイは、ベッドに横たわり、その寝顔を見おろしていた。
白く柔らかな頬には、涙の跡がたくさん残っている。
無理もない。普段の彼なら絶対にしないような恥ずかしいことを、たくさんさせてしまったのだから。

発端は、つい最近手に入れた黒い服だ。
それを着たら、エドナやロゼが悪い男みたいだ、なんてからかうから、つい、ミクリオを謀ってみたくなった。
だが、ことスレイのことになると冷静さを欠くミクリオは、スレイの演技を、頭から信じ込んでしまったようだ。
まあ、おかげでいつもと違う妖艶な彼が見られて、大満足ではあったけれど。

―――しばらくの間は、この服を着て、普段できなかったことを、あれこれさせてしまおうか。
なんて、そんなことを考えてしまう自分は、やっぱり悪い男なのかもしれない。
「ごめんな、ミクリオ」
そう呟いて、スレイはミクリオの頬に、愛しげにキスをした。
こんなに清らかな存在が傍にいて、どうして穢れることなどできようか。
彼は、それをまったく自覚していないようで、そこがまた、愛しくてたまらないのだけれど。


End.

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お読みくださってありがとうございました。
今日はワンライの開始時間直前まで外に出ていて、滑り込みで書きました。
でも、このお題だとやっぱりアダルト風味になってしまったので、Twitterでなく、直接サイトに上げることに><*

スレイのお願いの部分は、ご想像におまかせします。
多分、普段のミクリオが絶対にしないようなあれこれだと思います。

ミクリオ限定で、ちょっと強引なスレイさんも素敵だと思うので、そんな話も書きたいな。








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