sparkle




女だらけのこの船はいつだって豪華絢爛。メンツも中身も、伴って。しかしそれを知らない馬鹿な男達は今日も私達の前に醜い欲を晒しに来る。


馬鹿どもめ。

「後悔、させてやるよい」


下等生物共。
女こそ、頂点だ。




【sparkle】




こんな奴等にはできるだけ触れさせたく無い。その一心で、深く吸い込んだ息をつま先から頭までめい一杯巡らせて、私は鳥になる。群がっているのは人ではなく全てが船で、その数に見合った男達がそこから虫のように湧く光景はいつも神経を逆撫でした。


一人でも充分に戦える。しかし、この自信は毎回発揮する事なく終わる。


「たまには加勢させろよ。身体が訛って仕方ない」


既に業火を纏ったエースは楽しみに来たとでもいうようにその炎を撒き散らす。靡く黒髪は半裸の胸をチラつかせ、男共が生唾飲むのを嘲笑いながら次の瞬間には火達磨。鮮やかに火と戯れるコイツは何度言ったって大人しくはしていない。そして毎回、まあストレスは肌に悪いかと背を許す。



「エース、サッチはどうした」


「今は髪巻いてる」


「後で断髪式してやろうかねぃ」


半分ほど海を綺麗にした頃か。
やっと出てきたプリンセス気取りは、遅刻癖も中々に姫気取りでやってくる。



「ちょー、マジそれ勘弁。頑張って伸ばしてんのに」



小生意気に指先で前髪を巻きながら、不敵に笑う強気な佇まい。一番見かけは乙女だが、見くびった虫が水しぶきをあげた瞬間それは華麗に覆る。


「てめぇ…何時間かけて巻いたと思ってんだ!!」


辺りを真っ赤に染める程容赦なく振るう刀は、一度切り込めば留まるところを知らず、男共の予想を冷たく裏切っていく。




触れさせたくはないのは事実だが、エースもサッチも決して弱くはない。だから守る必要なんて何処にもありやしない。

でもこうして背を預け合い、それぞれが虫けら共を蹴散らしているのだというこの光景は、一度味わえば止められない癖を持っている。



「もう解ったろ。退路はやらない…死んで後悔しろよい」



下等生物共。

女こそ、
輝ける私達こそが頂点だ。






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