「トイレに行かせてください。」
「ホホ、行けばいいではないですか。」
とても暑苦しい、そりゃあもう。
ただでさえ今日はむしむししてるのにこの男は何を考えてる。
変温動物かこの人は。
さっきからラフィットがあたしを抱きかかえたまま離してくれない、そのせいでトイレ行きたいのに動くことができない。
「離してくれないと行けないのですが。」
「それは大変ですな。名前が失禁するのを見るいい機会ですが仕方がない、一緒に行きましょう。」
抱きかかえたまま立って歩き始めたラフィットだが、いやいや、この男絶対トイレの中まで入ってくる気だ。
「やめてください、あたし女の子です。」
「今更何を恥ずかしがっているんです。」
まったく照れ屋ですな、みたいな顔で言われたがそんな仲になった覚えはまったくない。
いけない、だんだんトイレに近付いてきた。
「何言ってるの、そんな仲になった覚えありません。」
次はやれやれ、みたいな顔をされた。
「とぼけてしまって、毎晩2人で熱い夜を過ごしているではないですか、私の夢の中で。」
「勝手に熱い夜過ごさないでください、せめて夢と現実の区別してください。」
仕方ない、とやっと解放され、これで平穏なトイレタイムを過ごすことができると安堵した名前だったが、すれ違いざまに2人の会話を聞いたオーガーは
(―っ…名前とラフィットが、毎晩、熱い夜を…?)
「ちょ、オーガーさん何であたしの部屋に。」
「…これも、巡り会わs」
「んなわけあるか。」
その日の夜、名前の部屋に居座りつづけたとか。
………………………
これはラフィット夢というより逆ハーである。
オーガーさんキャラ違う、すいません。