昼食の片付けを済ませたら前々から掃除しなければいけないと思っていた物置に向かい、口にバンダナを巻いて掃除を始めた。

中はやはり埃っぽく上の方を少しブラシで触るだけで大量の埃が降ってきた、今までここの掃除を後回しにしていたのはこの埃の量となんだか薄暗い部屋が怖かったからだ。



「げほ…っ」



仕方ない、と自分に気合いを入れて掃除にとりかかったが置いてある箱や樽を動かすだけでもすぐに息が上がってしまい、今日だけで終わるだろうかと不安になった。



「何をしてる」


「あ、シリュウさん、お掃除しようと思って」


「…前より散らかってるじゃねえか」


「いや、ほら…今はまだ途中だから…!」


「…」



無言でため息をつくとまだ中に残っている樽を持ち、手伝ってくれる様子だったが、



「だ、大丈夫…!あたし、1人でできるから…!」



「…そうか」


樽をもとの場所に戻し


「しっかりやれよ?」




葉巻をくわえた口元が少し笑っているように見えた彼の大きな手が意地っ張りの頭を撫でた。








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