「おや、いい匂いがしますな」
「あ、ラフィットさん」
昼食の支度をしているとキッチンにラフィットが入ってきて、切っている野菜から目を離してちらっと見ると、火にかけているスープの鍋のふたを開けていた。
「ちょうどよかった、もうすぐご飯できるからみんな呼んできて」
返事がない。
再び野菜からラフィットに視線を移動すると小皿とスプーンを出してスープをつまみ食いしていた。
「ちょっとー、だめだよ、つまみ食いしちゃ」
早くみんなを呼んできて、と小皿を取り上げようとするとあごを強く掴まれ、開いた口に小皿に残っていたスープを流し込まれ
「…げほっげほっ、…あっつい!」
「ホホホ、これで名前も同罪ですな」