非常に愛しくて、今すぐ触れて抱きしめてもよいのですが…やって差し上げません、貴女が頭を地面にこすりつけて懇願するまでは。
「ほら、名前、ラフィット様と呼んでみなさい」
「やだ」
ホホホ、そうやって強がって私の気を引こうとする所も実に愛らしい、反抗されるとさらにしつけたくなります。
─バシッ
「…痛い、やめてください」
「ホホホ…本当は嬉しいのでしょう、私にこうしてしつけられるのが」
貴女は実によくわかっていらっしゃる。
私が狂おしいほど貴女のその反抗的な目付きが好きでたまらないことをわかっていて、ああ、またそんな目付きを。
「どうすれば嬉しそうに見えるんですか」
その少し眉間にシワを寄せた険しい顔、もっとやってほしいのですね、お安いご用です。
「ホホホ、本当に名前は素直じゃありませんな」
そういう焦らしも嫌いではありません、しかし名前は焦らしが恐ろしく下手ですな、そろそろそんな態度ばかりというのも面白みに欠けてきました。
「素直も何も、いつも言ってますけど本当に嬉しくなんてないです」
ホホホ、ご冗談を…
「私は早くヴァンの所に…」
―バシッ
「少々おふざけが過ぎますな」
オーガーさんのことをヴァンと呼ぶなんて、まるで貴女がオーガーさんの恋人のようですな。
そんなことあり得ません、そんな事実あるわけない、あってはならない。
ああ…わかりました。
それも私の気を引くためなのでしょう?
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ヤンデレ…ですかね。
突発小ばなし。