「うらやましいです、隊長」
「何がだ?」
イゾウ隊長は男の人なのに綺麗すぎる。
もとから綺麗な顔しているのに、いつもこれまた綺麗にお化粧して、肌だって女のあたしより綺麗で、なんだか女の自分がこんなんでとても切ない気持ちになる。
そのことをわからない様子のイゾウ隊長が少し憎らしい。
「隊長は女のあたしより綺麗なんですもの」
少し眉毛を上げて驚いた顔をしてから、そうか、とよくわからないような顔をする。
ああ、そんな顔ですら美しくて、憧れにも似ているけど少し違う、あたしはイゾウ隊長に恋をしているのかもしれない。
「…俺は名前の方が綺麗だと思うが。所詮俺は男だしな」
こちらを真っすぐ見ながらそんな事を言うイゾウ隊長に、あたしは一瞬どこを見ていいかわからなくなった。
心臓がやけに跳ねて、息が上手くできないくらい。
それに…、そう言いながら綺麗な顔には似合わない角ばった手がこちらに伸びてきたことに驚いて体が固まってしまった。
「俺は名前のこの赤くなる頬が好きだ」
軽くあたしの頬に触れて微笑みながらそんなこと言うものだからまた顔の温度が上がった気がする、ありがとうございます、とやっと声が出せたがきっと上手く言えてないと思う。
そんなあたしを見て微笑んだままのイゾウ隊長は
「いや、間違えた。俺は名前が好きだ」
「……からかわないでください、そんな冗談」
「冗談でこんなこと言うわけねぇだろ」
そう言ってあたしを角ばった腕の中に閉じ込めた。
「…名前、返事は」
「言わなくてもわかってるでしょ」
「そうだな」
筋肉質な胸板に頬を寄せると、イゾウ隊長の心臓は自分と同じくらい早く鳴っていた。
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初イゾウさん夢。
捏造イゾウさん申し訳ない。