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THE FINAL感想
2021/01/10 23:16


1.ネタバレ注意です


単行本77巻まるまるアニメ化したようなものなので、ネタバレもクソも無いです。ただし映画ならではの演出や作画、声優さんの熱演について、当然ながら感想なのでそこにも触れます。わたしの偏見の過ぎる感想で余計な先入観を与えたくないので、これより先の感想は、映画を見た人だけ読むことをおすすめします。

喪失感が増すのがいやだった自分は、原作の単行本をしばらく読まないでいたので、正直どこの場面から映画が始まるんだっけという状態で、なにもかも完全初見みたいな視点で映画に臨むことになりました。
初見モドキの感想としては、めちゃくちゃ良かったです。原作の天道衆だの一橋派だのあそこらへんいまいち分かってなかった人間でも大丈夫。バチコイです。すべては擬似初見にも分かりやすい懇切丁寧なあらすじのおかげです。ありがとう鳥山明先生。

個人的には、むしろ原作をあまり読み込み過ぎないで行ったほうが楽しめるのでは?という気さえします。「いまの台詞カットされたな〜」とか「原作だとこのあと……」とか途中で思わずに済んで、本編に全集中できるかもしれない。

ていうか、わたし、ほとんど初見の反応してたな。なんせ覚えていなかったから。原作の最終回のだいたいを忘れるほど海馬が弱いので、すべてのシーンが新鮮に映りました。この感想書くにあたって映画を思い出そうとしても海馬が弱いせいでなんも書けなくて困った。

ツイッターとかで他人様の感想をチラッと覗き見たら、映画と原作ここが違う!って台詞の有無や差異を挙げてて「海馬つよ〜〜い!」と驚きました。なにを食べたらそんな記憶力が身につくんでしょうか。
己の海馬に本当に信用がなくて、隙あらば存在しない自カプのシーンを捏造しようとするんですよね。帯紐に洞爺湖くくりつけたお妙さんが頑張って坂をよじ登る映像、ちゃんと現実だったのか自信がない(ところがどっこい現実です)


2.村塾…………


嘘みたいな本当の話なんですけど、大人になってからの村塾組が揃ってまともに会話したのってこのターミナルのシーンくらいなんですよね。交わした会話の時間は短いのに、三人が一緒にターミナルてっぺん目指すシーンは、濃厚なやり取りでした。
映画観てる最中は村塾まわりのシーンだけテンポが独特というか、余裕を持たせられているというか、尺も限られてるのに制作側の「ここはちゃんと描かねば!」というつよい意志を感じました。

久しぶりに会えた上に一時期は殺し合いの約束までしたのにさあ、まるで昨日まで馬鹿やってたその続きみたいにいきなり息合わせて共闘するところ、あまりにも好きだ……となってしまいました。

映画の途中で何度か三人が塾生だった頃の回想シーンが入るんですけど、あの子どもたちがこうなるのかと今の姿と重ね合わせて成長に涙ほろり。親かな。海馬が弱いので三人ともわたしが産んだ気がしてきた。
個人的には悪ガキ二人の尻ぬぐう幼少のヅラが母性的な意味で優勝です。

ていうか、桂さん。普段と戦闘時のギャップが激しすぎる。村塾組のなかで一番力強い斬撃を繰り出すところが好きだ。高杉や先生の死で悲しい余韻を残した映画館の雰囲気を一気にギャグに持っていくその手腕も含めて、桂さんに今回の映画のMVPあげちゃうくらい好きです。あと声のでかい人にも。


3.めっちゃ動くやん


映画の九割戦闘シーンになりそうなので作画班しんじゃうのでは? という懸念もあったんですけど、映画の予告からも分かるように気合が入ってました。
コロナで全然集まれなくて大変だったというアニメーターさんのコメントがあったように、そんな環境でここまでめちゃめちゃ動くアニメ作るのは大変だったろうな。

当然予告に使われるくらいなので、映画の予告周辺の作画が一番良かったです。今回だけ銀さんの頭が銀色なのも良かった。

勿論、途中で「ううーん」と思うところはあります。全体的に色は綺麗なんですけど、中割りがとても少なくて、剣で斬る動作がカクカクなのが気になりました。
銀さんが剣持ったまま等速直線運動で牙突みたいな動きするところとか、長谷川さんのタクシーが減速も初動も物理法則無視した動きしてて笑ってました。見どころです。

あと銀さんと虚の戦闘シーンで化物語が急に始まって急に終わります。全然笑うところじゃないんですけど、面白かったです。あそこだけ主線が細くなるし、作画は謎の重力が働くし、いまのは鏡花水月みたいな幻覚だったぜ!みたいなオチ含めて脳が「これ銀魂か?」と受け入れを拒否します。銀魂です。


4.音楽がいいのよ……


私のかわりにノブが代弁してくれました。主題歌も挿入歌も全部よかったです。私はDOESのヲタクなのでカラオケに行けば三月とか明日は来るのかとか必ず歌うんですけど、今度から二曲いや三曲レパートリーが増える予定です。

歌詞が直球すぎると話題の道楽心情も、キャラ解釈完全一致の轍も、みんな大好きなんですけど、完全に後方100メートルからドロップキック食らって死んだのがブレイクダウンでした。とんだ伏兵がいたもんだ。これ映画みた人類みんな言ってると思うんですが、ブレイクダウンめっちゃ良くなかったですか。良かったよねえ。鬼リピ確定です。新規CMにこれ使ってほしい。

音楽かかってるところのアニメも良かったですね。坂田銀時が関わってきた人間たちがワアって押し寄せて力になってくれて、その光景を見下ろす坂田銀時という構図。
万事屋再結成して戦うぞ〜〜ってなったらブレイクダウンかかるシーンだけでも、ワクワクが止まらなくて、あそこだけでも七億回ほど見返したい。衣装チェンジも相まって変身バンクからのプリキュア感あったもん。

そして単行本を読み返したら、志村妙が戦っている敵がザコ二匹からクソデカパワー系中ボスになってたことに気がつきました。まじか。振り下ろされた斧相手に持ちこたえたお妙さんの頑張りも、颯爽と現れるセコム二人の頼もしさも全部抱きしめたいです。


5. To LOVEる体質を獲得した新八


オイオイオイオイオイ!!!!!
しんかぐやんけ!!!!!!!!

映画館でクソデカ大声出しそうになった。
ブレイクダウンという最高BGMがかかって、中の人たちの魂こもったセリフの後、ようやっと夢見た万事屋三人の共闘シーン、ぬるぬる動くアニメーション。そんなテンション最高潮の時にどでかい爆弾ぶちこまれて気絶するかと思いました。

二年後神楽ちゃんが風呂場で銀さんとニアミスするシーンで、原作だとバスタオル姿の神楽ちゃんと新八が密着していましたが、あの時はそんな恥ずかしがっていなかったし……そもそも男女とか意識してなさそうだったのに………。

おしりがぶつかってあんな可愛い反応する?
ギャースカ怒る神楽ちゃん、あんなさ、沖田にするような顔を新八に向けることあるんだ。そっか。そうなのか。はァ〜〜と思わず天を仰いじゃった。

もしも沖田の顔が尻にあたったらめちゃめちゃ不快な顔しそう。だから多分、二年後神楽ちゃんにあんな顔をさせることができるのは新八と銀さんくらいなんじゃないかな。
アニオリなので、空知解釈はまた別の二年後新神がありそうですが、ちょっと男女を意識しはじめた新神ちゃん全然アリやないかとなってしまいました。


6.二年で安定した沖神


ナチュラルに会話すな。
原作だとサクッと吹き出しで終わる会話のシーンですが、実際に動いて喋っていると尺長く感じた。「ほうほう〜」の神楽ちゃんと「へっ何言ってやがんでぃ」の沖田くん、嫌味を言う響きではなくて、声優さんありがとな……。
戦闘の片手間にしちゃうんだこういう会話。仲良しの人たちにしか許されない軽口のたたき合いだし、彼らなりのコミュニケーションを見せつけられて、戦いのシーンなのにほのぼのした。
あと沖田くんがバズーカ支えるところまで一挙一動ぜんぶ格好いい。すき。

さて、スナックすまいるの沖神の話をしてよろしいでしょうか。します。
いや、近〜〜〜〜!
寄りかかって、おる!
寄り掛からせて、おる!

新神のアニオリとバランス取るように営業仲良しさせられた二年後沖神ちゃん、経済の回し方をよく分かってらっしゃる。二週目以降はこのシーン絶対まばたきしないで見たいもんな。

@沖田くんが身体をずらす。A神楽ちゃんがバランス崩しておっとっとする。B沖田くんが神楽ちゃんのほうに身体むける。C二人睨み合って顔を近づける。ここまでの一連の流れ、ご覧になりましたでしょうか。かわいいね。

神楽ちゃんがあのままバランス取れなければ前に倒れていたわけで……なぜかわざわざ身体の向きを神楽ちゃんのほうにズイと向けた沖田くんの胸があったわけで……。つまり抱き着いてほしかったのか沖田。
沖田の胸元に顔をうずめるように抱き着いちゃった神楽ちゃん、NGシーンでもいいから見たかったです。その光景にケータイ向けてパシャと写真取る沖田くん絶対居るでしょ。


6.元カレが強すぎる件


銀さんと高杉の話をします。しなければならないと思ったからです。

ぜんぶよかった。全編とおして銀さんの声色が、何もかも覚悟した、達観した、死ぬかもしれない戦場にいながらどこか焦りも焦燥もどっか遠くに置いてきたみたいな澄んだ凪のようなお声だった。これが二年後の坂田銀時。杉田さんありがとう。その声が高杉に向けられるたびに、感情がぐちゃぐちゃになったよ。
高杉もまた銀さんに応える声が昔馴染みと同じ目的で戦場に立つことへの高揚と裏腹にさみしさを抱えた感じで、うまく言語化できないですが、小安さんありがとう。

エレベーターで桂さんが離脱した後、ケーブルをのぼる場面の銀時と高杉の会話シーンが特によかった。
銀さんが「ぜんぶ懐(ここ)にある」と言ったところで、高杉の長いようで短い、無音の覚悟の時間があります。原作だと一コマで終わってすぐ襲撃シーンに映るところなんですけど、アニメになったおかげで「ここだったのか」と気付かせてもらいました。

高杉はたぶんあそこで踏ん切りがついたんだろな。銀時に師を二度も斬らせてたまるかという思いはもちろんずっとあったけれど、銀時の覚悟とその懐に抱えたものが十年前よりもずっと膨大なことを知って、それらを全部失いたくない・失わせるつもりもない銀さんの言葉に、こいつに未来を生きさせてやりたいと、高杉は決めたんだろうな。高杉のシナリオはあそこで確定したんだと思っています。

そして虚との戦闘場面の、まるで高杉ができない代わりに自分がするみたいに高杉の走馬灯をみながら戦う銀さん、アニメだとどう描ききるのか、そこが気になってました。
回想が多いと戦闘がダレるし、回想全部カットされても重みがないし。しかしそんな心配は杞憂でした。アニメスタッフさん、最高の演出をありがとう。振り下ろされる刀と竹刀。幼少高杉の屈託ない笑顔も、現高杉の銀時の刀が未来のために振われることを願うみたいな微笑。どっちもよかった。予告のCMで使われている銀さんの顔は、原作だと強くひきしぼった口元だけだったんだなとか、帰宅してから原作を読み返していろいろと発見があった。それに続く、今わの際のシーンも含めて本当に良かった。

地獄で首洗って待ってろはCMのほうが好きだったなあ。と思ったけど、もしかして同じやつ使い回しじゃないの……?どうだろう?
海馬も耳も弱いので判定はプロに任せたいです。
CMで何度も聞いたあの台詞ですが、言ってる内容の過激さに対してあまりにもさ……杉田お前そんな声出しやがって声優アワード2021お前がナンバーワンだってなるやつ。

訂正します。上記で「内容が過激」と言いましたが、意味合い的にはたぶんおだやかな約束にほかならないです。頑張ったね、もうやすんでいいよ、みたいな響きが含まれた慈愛の声だった。首洗って待ってなって高杉と地獄デートの約束する銀さんの声を、何度も頭の中で反芻しています。

私は紅桜の銀妙をいくら噛み続けても味の出るガムだと思ってますが、FINALのろくでなしコンビもまた、いくら反芻しても消化できない牛脂みたいなもんだと思ってます。無理だよ。消化できないもの。

あと、空知先生は別に、罪を犯したものたちが落ちる場所のことを指して地獄という単語を使っていないと思うんですよね。
ヨッシャせっかくだから例のアレを引用するか?
引用しますね。へへっ。

「未来を変えたついでに、とんでもねえ女、地獄から蘇らせちまったってな」
「地獄から蘇ったのはお互い様でしょ、世界を滅ぼした大魔王さん」


はい。満足しました。
完結編の銀妙のやり取りでも、地獄という単語が何回も使われていました。お妙さんが地獄に落ちるような生き方をしてるとは到底言えないし、空知先生の考え方がすべてのキャラクターに適応されるわけでないと知りつつも、少なくとも銀さんというキャラクター主観では、「地獄」という単語の意味は死んだら最後にたどりつく悠久の場所というニュアンスが強いのではないかと思います。愛の言葉なんだよな。地獄で会おうぜ。

さて。わたしは銀妙好きでありながら銀高も嗜む人間です。推しカプの死別を見るのはつらいなあ、と思いながら映画に臨んだわけです。

いや、まさか推しカプが屋台船で夜桜デートを楽しむイメージビデオを見せられるとは思わないだろ。

意味わからん。助けてくれ。
呼吸が浅くなって意識が遠のくのを映画館で感じた。
幻想的な雰囲気。月明かりのきれいな夜。舞い散る花びら。二人分の猪口。ちゃぷ………と水面に触れる高杉の指。えっち。えっちが過ぎるよ助けてよ。銀高のイメソンが宇多田ヒカルの桜流しに確定した瞬間でした。

劇場版のキービジュが公開された当初、初見のわたしは「今カノと元カレ近くにいる!キャットファイトしてくれ〜!」とか言って笑っていましたが、今は全然笑えねえし、元カレが強すぎて「勝てるのか?」となっています。
銀妙にもイメソン当てはめて、いまここに宇多田ヒカル杯を開催するしかない。どちらが本当のヒカルを手にいれるか決めようじゃないか。まあでもどっちかというと銀妙は坂本真綾のほうが合うかな。いや、これなんの話?

あんまりにも元カレが強いから「銀妙は勝てるんですか?」「いや勝つが?」「ほんとかな?」「ふざけんな結婚するわバーカ」「銀妙も屋台船桜デートしてくれ」と自分の中でも人格五人くらいに分裂してしまった。それくらいの衝撃でした。
銀高には一緒にお酒を飲んでいろんな話をしてほしかったな。

(ここから読まなくていいです)突然ですが、概念の話をすると、坂田銀時はお風呂みたいな男なんですよね。たまさんにしか見せない態度の銀さんもいるし、新八にしか見せないちょっと大人なぶった銀さんも、神楽ちゃんにしか見せない父親っぽい銀さんも、相対する人間のかたちに沿って、その人が一番居心地のいい距離感になるようにかたちを変化させてくれる男、坂田銀時。
ただし村塾組といるときの坂田銀時はちょっと違うくて、相手に合わせてかたちを合わせる気もないし、わりと原型の坂田銀時で、剥き出しの形をしてる気がします。
高杉がまばたきをするたび、最期に見た三人の坂田銀時は間違いなく全員同じ男だけれど、現在の坂田銀時という男を構成するに至った三時代の剥き出しの心が、高杉を見つめていて、あそこが一番くるしかった。
坂田銀時にあんな顔もあんな声もさせることができる男、ほかにいない。高杉みたいな男は、銀さんの前にきっともう一生現れないのに、失ってしまって、ずっとつらい。剥き出しの原型の坂田銀時をその片目で見通してくれる・晒すことができる人間はどこにもいない。生き返った高杉が元の高杉と限らないのもつらい。
新入生の空知くんが言っていたように、高杉がどうなったのかは読者の想像に任せてくれるらしいので、私は普通に記憶を保ったまま急速に成長するしんすけくん(5さい)を推します。
たくさん人を殺した罪が彼が一度死んでチャラになるのはおかしいという思いもあるから、記憶を失ってまっさらな状態で銀さんに会うエンドでもいい。会わなくてはいけないと思うけど、無理に会わせたくないという気もする。
わたしはこの二人をどうしたいんだろう。

偏見だらけの話をすると、銀さんにとっての運命の女はお妙さん(お登勢さんでもあるけどお登勢さんにとっての運命の男は別にいるので……)だとして、運命の男は高杉なので、生きていれば必ず引き合うんですね。確約です。
記憶を失っていなければ、高杉は銀さんのことを運命なんてあまったれたもんじゃなくて、宿命の男と評するかもしれない。そしてまた子のことは「運命だと思いたきゃ勝手に思っていればいい女」と評している気がする。生まれ変わった自分にまで縛られなくていい、好きに生きろと、また子の献身を断る選択肢もあるけど、そばにいたいというなら、居ていいと許してくれそうな気もする。わかんない。高また、わかんないよ。


7.今カノの話をします


お妙さんハブられるんじゃないかと内心ひやひやしていましたが、おおむね原作通りで本当によかったです。はじまりの四人と一匹がまた会えてうれしかったです。

刀を渡すところに至るまでの道のりを語り出すとまた長くなっちゃうな。
でも自カプのサビ(刀渡すところとお手手ぎゅっ)に至るまでのAメロとBメロだと思ったらぜんぶ語りたくなってしまう。

まず、そう、ぱちぐらと三人で階段上がるところですね。戦闘力は一般人だからよろついちゃうお妙さんを支えてくれたぱちぐらに感謝しました。
落下する定春に「あなたもずっと銀さんに会いたかったのね」と声をかけるお妙さんの台詞がカットされたことはとてもつらいけれど、三人を見守るお妙さんの顔が美しかったので万事OKです。悔しくて映画館の座席のひじ掛けに拳を叩きつけたいのをぐっと堪えていたのはここだけの話です。
追記:こっちじゃなくて「あっ違ったみたい」がカットされてたみたいです!!!!!!やっぱお前の海馬死んでるよ!!!!!!教えてくれてありがとうございます!!!!!

お妙さんが高杉や先生と邂逅できたことは、坂田銀時を知る上でものすごく重要なことなんですよね。百聞は一見にしかず。テロリストの高杉晋助ではなく、実際に高杉に相対した時に感じたイメージのほうを、お妙さんに大事にしてほしい。刀を投げ渡した男の抱えるさみしさも覚悟も感じ取って、ああ、似てるな、と思ったりしたらいいです。

傾斜角度ついた場所をよじよじ登るお妙さんかわいいね。帯紐に洞爺湖を携えていたのはわたしの都合のいい幻覚かもしれないです。幻覚の中でもかわいいですね。

お妙さんの手から銀さんに刀を渡されるシーンはカットされなくて良かったですね。
もう何も言うまい。いや言うけど。刀は侍の魂なので、それを預かったり渡したりする役割を与えられることは、とても名誉なことだと思います。CP目線抜きにして。いやごめん抜きにできないわ。めちゃめちゃフィルターかけてしまう。

あそこ音楽が無かったと思う。超静か。情報量がパンクして鼓膜が機能していなかったせいかもしれない。ここで原作だと高杉が銀時への思いを先生に吐露して「(刀は)今アイツの隣にある者のために振るわれるべきだ」という台詞と、お妙さんが刀渡すシーンが重なるはずだったんですけど、重なってなかったよね……?あれ?重なってた?
確信がない。相変わらず海馬が弱い。


8.今カノの腕力に感謝しろ


マウンテンゴリラから生まれたような女という一巻からの伏線(?)が遺憾なく発揮されるシーン、本当にありがとうございました。お手手ぎゅっ、からの、剛腕による旦那ぶん投げまで、いち銀妙ファンとして見届けることができて感涙ものでした。

先生をターミナル中枢部に連れて行ったあとのお妙さんが一人だけ扉の前で、銀さんは必ずここにくるから、という強い意思であそこで待ってるの良かったです。

せっかく真選組の三人がつないでくれたバトンなのに、無慈悲に崩れる足場。間に合わないかもしれないという最悪な考えが、あの場にいた四人の脳裏によぎったと思う。そんな絶望的な場面で、運命力Sの女がやってくれました。
先生とお妙さんが会えた時間はほんの少しだけど、銀さんにとって大事な人だということは理解できていたから、ターミナル破壊阻止はもとより、銀さんとこの人を絶対に会わせてあげたいという志村妙の意思が運命を引き寄せたんだよな。だよな空知。全部わかってるから。
いや全部妄想だけども。公式ノベライズとかにそんな記述ないけど。わたしに書かせたら絶対そう書くよ。


9.たまさん推しスタッフの愛が強すぎる


作画スタッフに山崎退が混じっていたとしか思えない。それほどまでに、たまさんが世界一かわいかったです。

美少女アニメの変身バンクか?ってくらい電脳空間でフワフワ回るし、きゅるんきゅるん髪の毛は動くし、銀さんから貰ったネジは目立つところに差してあるし、なんかもう全部もってかれたわ。お前がヒロインだよ。

みんな死にましたエンド、原作だとただの墓だったのに、アニメになったら坂田家の墓と志村家の墓とかぐらの墓を横並びにしてくれたの感謝しかない。死ぬときは一緒だよ。

さっきも書いたし、また何度でも書くけど、坂田銀時の髪色、今回だけ銀色なのが本当に良かったんです。「よォく晴れやがった」の坂田銀時の横顔、憂いを抱えつつそれでも前向くことができる強さというか、晴れ晴れした面に太陽に溶ける銀髪がめちゃきれいでね……銀時お前を300億の男にしてやりたかった……と厄介ヲタクみたいな感情になっちゃった。ぜんぜん間違ってないしまさしく厄介ヲタクです。

スナックすまいるのところは、ボーナストラックみたいなものだと思ってニコニコしながら見てました。でもやっぱりお妙さんが近藤さんのこと受け入れつつある予感にビクビクしてしまった。
最後の悪ふざけだからああいうノリに乗ってくれたんだよ〜って自分に言い聞かせていました。銀さんと手を繋いだのは悪ふざけの空間じゃなくて真面目なシーンだったからさ。完結編でも手握ってるし、今回も握ったし、今後も色んなものを握ってくれ。下ネタじゃないよ。ほんとだよ。

あと土方さんが万年生理女みたいな態度で(言い方)イライラしながら刀ぶんぶんしてるところが見れたのが良かったです。万事屋のことを「斬るよ」って穏やかに笑った彼に衝撃を受けてましたが、やっぱり常に穏やかさとは無縁の苛烈でイライラしっぱなしの憤怒の人であってほしい。


10.ありがとうきびウンコ


三度目の正直で原作の連載が終了してからもう一年半経ったと聞いた時は信じられなくて、カレンダーを無限めくる作業を始めてしまいました。
映画について全く音沙汰なかった一年は氷河期のようだったけれど、最近になってアニメ銀魂ちゃんねるとか公式アカウントが活発に活動してくれるおかげで、銀魂まだ全然おわった気がしないんですよね。だから二次創作へのモチベーションも今のところ変わらないで済んでいます。

二次創作で困っていることといえば、今後は二年後設定をデフォルトに物語をつくるべきか?という点と、二年後の万事屋で銀さんと神楽ちゃんは一緒に住んでいるのかとか、オーナーになったお妙さんとか、二次創作する上で大事なところもうちょっと材料くれと思うところはあります。我々の想像に任せるということなんですかね。
空知先生にはしばらくの休息、たくさんの賛辞、それから花束を贈りたいです。

それから、チーズ蒸しパンになりたい以来の空知先生の肉声が聞けたことも満足でした。

私が観た映画館は、特殊音響がウリのところで、ちょっと遠いけど「ここで映画観たらほかでもう見れないよ!」みたいな中毒性があるんですけど、銀さんたちが通路で走ってる時は狭い通路に声が反響する感じとかすごかった。

で、そんなスペシャルな映画館で観たせいか知りませんが、空知先生のボイスがすげー近くで聞こえてきました。当時のわたし「その声は、我が尊敬漫画家、空知ではないか?」と山月記ナレーション流すくらいにはびっくりした。
空知にあすなろ抱きされそうな距離感で話しかけてもらったのに、ゴリラ語がわかんなくてさみしかったな。


8.銀八妙さあ…………


やりやがった。やりやがったよ。
映画館の巨大なスクリーンで自カプの盛大なイチャコラを見せつけられた諸君、生きてるか?
わたしは死にました。
広侍苑の書き下ろしネタのアニメ化です。めっちゃ動く自カプを堪能しました。ありがとうございます。ありがとうございます。

なんつーか、わざと怒らせて殴ってもらうところまで全てが計算というか、完成された一つの前戯なんだよな(言い方)

思い返せば、パン粉事件に始まり水着回、女体化騒動の銀さんあまりにも同じ轍を踏みすぎていましたね。長い付き合いの中でここまではセーフ、ここまではアウトを理解しているはずの銀さんが、あえて自分から地雷を踏み抜きに行って痛い目遭うところを、これまでに何度も見てきました。吉本新喜劇みたいなおなじみの流れになってしまった感じもある。二人も周囲もそれを理解している。またやってるよあいつら、みたいな態度の周囲を無視して、衆人環視のもとで「あえて見せつけるように」ドメスティックバイオレンスにいそしむ自カプ、あまりにも怖すぎる。自カプの高度なプレイを我々は知らず知らずのうちに強制的に見せつけられていたわけよ。とんでもねえ。まだ見ていないあなたも、すでに見たあなたも、みんなで自カプの前戯を劇場で目にしよう。

この世で一番最低な感想文の終わり方をしてしまった。

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