新セル (0)
1103 13:41


『友達を大切にしろ』。君はそう言った。だから、僕は友達を守った。なんにもおかしなところなんて無いだろう?
君からの言葉はすべて僕の宝物なんだよ、セルティ。部活にだって入ったし、行く必要の無い高校だって行った。セルティが言った事なら私は何だってやるし、何だって守るよ。たとえ人殺しだろうと親殺しだろうとね。あ、でも、心中とかは断るよ。死後の世界で君に会えるかどうか解らないからさ。
けどセルティが死んでしまったら、俺も生きる意味を失って後を追っちゃうだろうから、そもそもセルティに死ぬっていう選択肢は無いんだよ。
え?嫌だなあ、やめてよセルティ。おちおち寝てもいられないじゃないか。死んだ後の事なんか解らないけど、君がいない世界なんて考えられないよ。駄目だよ、僕なんかを追って自殺したりしちゃ。私は、君がいつまでも幸せそうにしてる事が一番の望みなんだから。
…いや、違うな。君がいつまでも私の隣で幸せそうにしてる事が一番の望み、って言うのが正しいかな。叶いそうにないけど。
とにかくセルティはいつまでもいつまでも、そうやって笑っていればいいんだ。
君とはじめて会ったとき、すごく綺麗だと思った。恐さよりも、綺麗だという思いの方が強かった。魅了された。君の持つその不気味な魅力に。僕は君の虜になったんだ。正直言って、君のその妖しさに惚れ込んだ俺にとって、君の性格なんて二の次だったのさ。勿論今はセルティのその人間味溢れる性格にもどっぷり惚れ込んでいるけどね。
出来ることなら、こんな奴を守るためなんかじゃなくて君の為に死にたかったな。ほら、僕は君のものだからさ、どうせなら君に利用されて死にたかったよ。
泣かないでセルティ。綺麗な心が台なしだよ。君はすごく綺麗だ。でも本当に綺麗なのは君の心だね。この歪んだ池袋という街の中で、君の心だけが清く輝いて見えるよ。笑ってよ、セルティ。
あ、最期に一つだけ聞いて貰えるかな。出来れば笑顔で。ずっと決めてたんだ、最期は絶対にセルティに看取ってもらうって。…ああ、もう限界みたいだ。ねえセルティ…もっとこっちに来てその綺麗な心を見せておくれ…ねえ、セ…ル……ィ…………

(わたしは幸せだ!きみを愛している!)
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