やるべき事は!
「えー……なんか雅と相部屋とか男と暮らすみたいでやだ」
「失礼だなあんた!」

――これから4人でこの2つの部屋を使うように
――この寮を好きに使ってくれて良いし、周りを歩いても良い
――ああ、尚……

「私の事は総帥と呼ぶように、かぁ……」

いっそ雑炊と呼んでやろうかなぁ。……いややめよ、雅にまたしょっぴかれる。



第3話 やるべき事は!




4人は寝間着姿のままで、影山の部屋から帝国学園の近くに建つ寮へと案内されていた。4人がイエスの答えを出すまでに、影山が人払いを命じていたらしく、誰にも姿を見られずに通る事が出来た。有難い事である。
部屋内は比較的広く、マンションの一部屋に相当する。雷門の宿舎より広いのではないだろうか。内装も至ってシンプルで、寮の部屋の見本と言っても良い。置かれたベッドは2つ。よってりまと怜衣乃、千歳と雅で分かれる事となった。

様々な問題については後々考える、として。今一番の問題は、何より……衣服である。

「ずっとTシャツって訳にもいかないしなぁー!」
「そっちは良いよまだTシャツで。こっちはパジャマだよ?見られなくて良かった……」

千歳が、考えるのを降参とばかりにベッドに寝転がると、雅が口を尖らせてため息をつく。大きな星を散りばめたそれを着る姿を見られたらと考えると、羞恥に値する物があるらしい。

「まあ、総帥が数時間後には制服用意してくれるらしいし、それ着て外行こう。で、服買おう」
「さんせー!……じゃ、怜衣乃のとこにでも行く?」
「そうしよっか」

4人のサイズが何故分かるとか数時間で制服発注は普通無理だとか言ってはいけない。超次元クオリティだ。
衣服の次は、これからどうするか。
2人は隣の部屋に向かった。




「そりゃ鬼道さんに会うしかないでしょ」

何を聞くんだと言わんばかりに、怜衣乃があっけらかんと答えた。

「はぁぁ!?え、怜衣乃今から会いに行くの!?何それ襲いに」
「な訳あるか!」

すぱんと良い音を出して、千歳の頭に衝撃。平手で頭を叩かれていた。
それを見たりまが首を僅かに傾ける。

「春休み終わったら、の話じゃないの?」
「そう。てかそうじゃないと不自然だし。やっぱりほら、トリップしたからには鬼道さんとかに会いたいし」
「あっうちも源田さんに会いたいー!」
「だ、だったら自分も佐久間に……!」

怜衣乃の言葉に、りまと雅がきらきら瞳を輝かせながら賛同する。各々の頭には大好きなイナズマイレブンの登場人物の顔が映っているだろうが、そこに1人問題が出てくる人がいた。

「良いよね3人とも」
「あ」

ぽつりと物寂しげに千歳が呟いた事により、3人はしまったと口を塞ぎながら、そちらへ目線を移す。そこには眉を潜めて窓辺でたそがれている千歳の姿があった。

「どーせ明王だけは2期からの登場ですよ、どーせ……」
「……千歳、素直にごめん」

慰めようと雅が千歳の肩を叩くと、りまが頭のてっぺんに生えるアホ毛をぴんと立たせると、扉の前へと小さな足で歩いていく。

「じゃあじゃあ千歳、サッカーしようよ!サッカーやろーぜ!」
「お前は円堂か」

随分と冷ややかな口調で怜衣乃が言うと、タイミング良くりまのすぐ側にある扉がノックされた。
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