「へんなゆめ、みた」
頭フル回転。目は開いている。……はず、なのに。
「……んじゃ、ないの?」
そこにいたのは、カツラでも被ったんじゃと思うくらい髪色の変わった友人達だった。
第1話 舞い降りた!
場所は部屋だった。全体的に薄暗く、コンピューター類の機械が、目の前のデスクに沢山置かれ、壁には様々なウィンドウらしき物が写し出されて、それの光が部屋を照らしていると言っても過言ではない。更に、モノクロの、タイルの床。見覚えのある友人。りまも怜衣乃も千歳も雅も、何故かへたり込んだ状態のまま硬直していた。りまと雅はパジャマ、怜衣乃と千歳は薄いTシャツ姿で。
「……え、……え?」
「ちょ、待った一回落ち着きたい」
「何これ夢だよねそうだよねもう一回寝たらまた部屋だよね」
「残念だけど現実っぽいよ千歳、夢の住人はこんな揃いも揃って慌てない」
上からりま怜衣乃千歳雅。りまは目を丸くして硬直、怜衣乃は頭を抱えて硬直、千歳は俯いて半笑いでぶつぶつ呟きながら硬直、雅は無表情で硬直。揃いも揃って早口で言葉を述べる辺り相当混乱しているようである。
「え、あの……怜衣乃、だよね?」
「……一応。りま?じゃないと困る」
「はい、あたし汐吹千歳」
「自分は皇夜雅と申します」
混乱したまま次々に相手の確認、自己紹介、しばしの沈黙。そして、お互いに輪になって顔を向かい合わせた状態で
「えぇえぇぇぇぇえぇぇぇ!!?」
声でデスクが揺れるくらいの大絶叫が、部屋中を包んだ。
「は、え、えぇぇぇ!?ちょ、雅金髪!何それてるみん!?神!?」
「違ぁぁぁう!普通に違う!千歳だって髪の毛何水色!?」
「ってかりま無茶苦茶縮んでるじゃん小学生以下に!」
「え、……うわぁぁぁなんかおかしいと思った本当だぁぁぁぁ!小さかった身長が更に縮んだとか嘘ぉぉぉぉ!怜衣乃もなんか銀髪になってるよ!?」
人の部屋でもおかまいなしにわあわあ騒ぐ4人は、端から見たら近所迷惑な子供達極まりない。しかし、これは異端の地に連れて来られて、更に異様な姿になってしまったと考えれば仕方ないとも言える。
数分後ようやく落ち着いたらしく、4人は肩でぜえぜえと息をしていた。
「……そ、それで、ここどこ?なんか見覚えのあるような、ないような……」
千歳が無機質な部屋をぐるりと見渡す。頭の片隅で何かがちらつくらしいが、それが分からなくて首を傾げると、怜衣乃がはっとして呟いた。
「……影山総帥の、部屋」
「え」
これには3人だけではなく、言った本人までぽかんと呆気に取られた。そしてまず、千歳が怜衣乃に真剣な表情で告げる。
「……怜衣乃、頭大丈夫?」
「万年赤点に言われたくない。……いや本当、アニメで何回も見たし」
「流石鬼道さん大好き人間……!」
すっぱりと言い切る怜衣乃をりまが目を輝かせて見るが、気に触ったらしくぱしんと頭を叩かれた。
と、そこで雅が小首を傾げる。
「あのさ、もしここが影山さんの部屋なら……本人はどこ行ったの?」
「私に何か用か?」
ぴきり、と空気が固まる。
恐る恐る声が聞こえたそちらへ、4人で一斉に振り返る。
長身に特徴的な顎、サングラス、1つに結んだ髪……それは、正しく……
「かげ、」
「や……ま」
「……そう」
「す、い!?」
順番はりま怜衣乃千歳雅。誰もが目を見開くのをよそに、影山がゆっくりと口を開く。
「如何にも。私が帝国学園総帥、影山零治だ。よくぞ来てくれた……花鳥風月」
にい、と口角を怪しく吊り上げる影山を見て、りまは怜衣乃の服の端を掴み、怜衣乃は冷や汗をかき、千歳と雅は顔を見合せて顔を青くした。
頭フル回転。目は開いている。……はず、なのに。
「……んじゃ、ないの?」
そこにいたのは、カツラでも被ったんじゃと思うくらい髪色の変わった友人達だった。
第1話 舞い降りた!
場所は部屋だった。全体的に薄暗く、コンピューター類の機械が、目の前のデスクに沢山置かれ、壁には様々なウィンドウらしき物が写し出されて、それの光が部屋を照らしていると言っても過言ではない。更に、モノクロの、タイルの床。見覚えのある友人。りまも怜衣乃も千歳も雅も、何故かへたり込んだ状態のまま硬直していた。りまと雅はパジャマ、怜衣乃と千歳は薄いTシャツ姿で。
「……え、……え?」
「ちょ、待った一回落ち着きたい」
「何これ夢だよねそうだよねもう一回寝たらまた部屋だよね」
「残念だけど現実っぽいよ千歳、夢の住人はこんな揃いも揃って慌てない」
上からりま怜衣乃千歳雅。りまは目を丸くして硬直、怜衣乃は頭を抱えて硬直、千歳は俯いて半笑いでぶつぶつ呟きながら硬直、雅は無表情で硬直。揃いも揃って早口で言葉を述べる辺り相当混乱しているようである。
「え、あの……怜衣乃、だよね?」
「……一応。りま?じゃないと困る」
「はい、あたし汐吹千歳」
「自分は皇夜雅と申します」
混乱したまま次々に相手の確認、自己紹介、しばしの沈黙。そして、お互いに輪になって顔を向かい合わせた状態で
「えぇえぇぇぇぇえぇぇぇ!!?」
声でデスクが揺れるくらいの大絶叫が、部屋中を包んだ。
「は、え、えぇぇぇ!?ちょ、雅金髪!何それてるみん!?神!?」
「違ぁぁぁう!普通に違う!千歳だって髪の毛何水色!?」
「ってかりま無茶苦茶縮んでるじゃん小学生以下に!」
「え、……うわぁぁぁなんかおかしいと思った本当だぁぁぁぁ!小さかった身長が更に縮んだとか嘘ぉぉぉぉ!怜衣乃もなんか銀髪になってるよ!?」
人の部屋でもおかまいなしにわあわあ騒ぐ4人は、端から見たら近所迷惑な子供達極まりない。しかし、これは異端の地に連れて来られて、更に異様な姿になってしまったと考えれば仕方ないとも言える。
数分後ようやく落ち着いたらしく、4人は肩でぜえぜえと息をしていた。
「……そ、それで、ここどこ?なんか見覚えのあるような、ないような……」
千歳が無機質な部屋をぐるりと見渡す。頭の片隅で何かがちらつくらしいが、それが分からなくて首を傾げると、怜衣乃がはっとして呟いた。
「……影山総帥の、部屋」
「え」
これには3人だけではなく、言った本人までぽかんと呆気に取られた。そしてまず、千歳が怜衣乃に真剣な表情で告げる。
「……怜衣乃、頭大丈夫?」
「万年赤点に言われたくない。……いや本当、アニメで何回も見たし」
「流石鬼道さん大好き人間……!」
すっぱりと言い切る怜衣乃をりまが目を輝かせて見るが、気に触ったらしくぱしんと頭を叩かれた。
と、そこで雅が小首を傾げる。
「あのさ、もしここが影山さんの部屋なら……本人はどこ行ったの?」
「私に何か用か?」
ぴきり、と空気が固まる。
恐る恐る声が聞こえたそちらへ、4人で一斉に振り返る。
長身に特徴的な顎、サングラス、1つに結んだ髪……それは、正しく……
「かげ、」
「や……ま」
「……そう」
「す、い!?」
順番はりま怜衣乃千歳雅。誰もが目を見開くのをよそに、影山がゆっくりと口を開く。
「如何にも。私が帝国学園総帥、影山零治だ。よくぞ来てくれた……花鳥風月」
にい、と口角を怪しく吊り上げる影山を見て、りまは怜衣乃の服の端を掴み、怜衣乃は冷や汗をかき、千歳と雅は顔を見合せて顔を青くした。