※ 下品でしょうもないです

「トラファルガーのちんk、反発。」
「ユースタス屋の真似してエグい事を言うなまじで下半身痛む」
「ロー…ヤラせてくれないか」
「ペンギンの真似したら許すとか無ェからな」
「ええ、じゃあ、ローたんヤラせて☆」
「もう頼むからどっか行けうぜえ」

 休み時間にシャチに見せて貰ったエロ本で不覚にもムラムラしてきたから、屋上でサボッているであろうダーリンことローに会いに私は授業中に数学担当の前田っちに(前田っち最近また禿げたんじゃね?)「孕んできます!」と素直に報告して屋上へと走った。

「大体何であいつのエロ本でお前が盛ってんだよ」
「ちょっとモデルさんの乳が綺麗すぎてムラムラと…」
「男子か」

 女子でも美乳のモデルさんには釘付けになるんだよ、と何も知らない純潔な(全くもって純潔では無いが、取敢えず純潔という事にしておく)ローに教えてあげた。お前馬鹿じゃねえのと返事されそうと思っていたら、案の定「頭大丈夫か」と頭をコンコンとノックされた。自分の親友であるシャチとエロ本の貸し借りをしない思春期真っ只中のお前の方が頭大丈夫か。そう突っ込みたくなったが、取敢えず自分の胸を見たら何も言う気になれなくなった。

「ていうか『男子か!』とか言うローも実際は美乳が好きなんでしょ、どうせ」
「美乳好きじゃねえ男子なんかいんのか」
「ていうか普通に私美乳じゃないんだけど、何で私と付き合ってんの?」
「お前に美乳を求める方がおかしい」
「少しは美乳じゃない事否定してくれるのを期待してたんですけどね!」

 そう怒ってローを思い切り睨んでやったが、[否定したら美乳になるのか」、と聞かれ、とうとう何も言えなくなった。自分の貧相な体をもう一度見つめ、溜息をつく。それにしても自分の彼女にくらい嘘をついてでも褒めてはくれないのか、この男は。そう思って寝転がるローの前に立ってやった。

「…お前、」
「トラファルガー・ロー君!少し位は彼女である私を褒めて下さい!」
「お前…」
「さっきから何、お前お前って」
「パンツ位可愛いの履けよ」
「死ねよ」

 そう言ってローの下半身(主に大事な所)を思い切り蹴ってやった。案の定見事にヒットしたらしく、ローは勢い良く上半身を起こした。流石のローも私が怒ってる事に気づいたらしく、驚きながらも私の足を触ってきた。こいつ、何も分かってない!

「構って欲しいんなら言えよ」
「誰が構って欲しいって言った!」

 "大体美乳好きなら、美乳じゃない私に触るな!"、そう言って私の足を触っていたローの手をはたけば、手を引かれ、無理矢理ローの隣に座らされた。と思ったらその瞬間ローが正面からキツく抱きしめてきた。
 突然の事にびっくりした私は一瞬怒りを忘れたが、さっき散々体の事を馬鹿にされたのを思い出し、離れようとローの胸板を力いっぱい押す。しかし相手は細いながらも男な訳で(今思えばこいつも貧相な体してる!)、どんなに力強く押しても離れられなかった。しばらくして諦めた私は押していた腕の力を弱め、ローに抱きしめられるがままの体勢になった。そんな私に気付いたローは未だ私の背中に両腕を回していながらも、話をする為にか自分と私の間に少し距離を造った。

「お前なァ、」
「…何ですか」
「エロ本の美乳モデルの事しか考えてないその可哀想な脳で良く考えてみろ」

 この野郎、と思ったが素直に"良く"考えてみた。しかし良く考えてみろと言われても何を良く考えれば良いのかすら分からない私にはローが何を言いたいのか皆目見当がつかなかった。ローの答えを促すように首をかしげながらローの方を見れば、いつものニヤケ顔はどこかに行っていて、真剣な顔をしていた。不覚にも格好いいと思ってしまい、目をそらせば、すかさず「目をそらすな」と言われた。言われた通りに目をローに合わせると、それと同時にローの唇と私のそれが重なった。

「馬鹿なお前に特別にヒントを出してやる」
「…馬鹿ですいませんでしたね」
「美乳好きの俺が何故お前をいつも触りたいと思ってるか考えてみろ」

 そう言われ、答えがやっと分かったが、答えを言う前にもう一度ローに口を塞がれたのでもういいかなと思った。唇が離れるとローはふと思い出したように、私が冒頭で"興奮"していた事を蒸し返してきた(しかしあれは別に興奮してた訳じゃなくて、美乳になりたかっただけで)。"もう良い!"と焦って服の中に手を入れてくるローの手を掴みながら言えば、低い声で名前を囁かれ結局私はまた彼にされるがままになっていた、畜生。



アクリルオール






20110710
title by alkalism

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