部長とマネージャー。それ以上の関係は勿論のこと持ち合わせてない私とマルコは何だかんだで長いことお互いを支えあってきたような気がする。部活の事だけでなく、日々学校生活で助けが必要な時も私はマルコを一番に頼りにしてるし、自惚れではないがマルコも私の事を一番頼りにしてくれている。こんな理想の友情関係であれば良かったのだが、私はマルコに少なからず恋心というものを抱いている。しかし私がマルコを好きと言っても、想いを伝える気はさらさら無いし、何年も前からひっそりとこの想いを心の奥底をしまっていたお陰で今まで何のトラブルも無く一緒に部活をやっていけたんだと思う。
 お疲れさまでしたーと部員が次々と帰宅する中、道具を片す為に部室のドアにまずノックして入れば、いつものように部長であるマルコが部室内にあるベンチに座っていた。だがしかし、何だか少し様子がおかしく、私が部室に入ってきた事に気づいてないのかぼーっと呆けていた。普段なら部活後疲れていたとしてもテキパキと自分の仕事をこなすマルコなので、不思議に思ってそっと肩を押せば少しビクリと肩を震わせてこちらに顔を向けた。

「お疲れさん」
「…おう」

 ようやく気を取り戻したようでマルコは一度自分の髪の毛をぐしゃぐしゃっとすれば、下を俯きながら「なァ、」と私に話しかけてきた。返事をする前に、道具も片し終えたからと私はマルコのすぐ横に座った。そうすると「汗臭ェだろ」と少し自嘲染みた笑みを零しながら言ってきた。もう慣れたから、と若干嫌味を含めながらも笑いながらそう返事してやればマルコも笑った。先程何を言おうとしてたのか聞けばマルコはまた口を開いた。

「いや、この前エースから聞いたんだがお前よく告白されるらしいねい」
「あー…うん、でもそんなマルコほどじゃないよ」
「…何で誰とも付き合わねえんだ?」

 今まで俯かせていた顔をマルコは急にこちらに向けてきた。ずっと一緒に学校生活過ごしてきたのに何で今更こんな事を聞くのかと疑問に思った。確かにきっと人並み程度には私も人から告白とやらをされているし、その中でも"良いな"って思った男子は一人か二人はいた。自分でもよく分からず黙り込んでいれば、マルコは「部活のせいか?」と私には到底理解し難い事を聞いてきた。

「いや、何で部活のせいになるの」
「…お前も本当は恋愛沙汰に興味あるんじゃねェのかい」
「興味あるけど、だからと言って部活のせいで出来てない訳じゃないし、」

 寧ろ部活のお陰でマルコの事知ることが出来たし、そう心の中で呟いたが実際に口には出せない自分はつくづく小心者だと思う。マルコはと言うと、何を思ったのか「嫌になったらいつでもやめていいからな」と小さくもはっきりとした声色で言ってきた。そんな簡単にやめていいなんて言われて。今まで一緒に部活をやってきた私にとってはかなりショックな言葉でついすぐ隣に座るマルコの太ももをグーで殴ってやった。

「痛ェよい…」
「そんな事言わないでよ」
「ん?」
「私が嫌々思いながらマルコと部活やってきた事なんて無いし」
「、おう?」
「私はマルコと部活出来る事が一番の幸せなんだから、それ位一緒にいるなら分かれよばーか」

 あれ自分、今告白まがいな事を言わなかったかとマルコの驚く顔を見てから、後悔したがマルコがぷっと一度吹き出し笑いしてから、いつものように私の頭を撫でながら微笑んできたので、取敢えず私もマルコの頭をぐしゃぐしゃ撫でてやった。



晴れた日






20110924
title by CELESTE

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