「……ん?」

 冷たい風が肌を掠めて目を醒ました。…寝てたのか。ぼんやりそう思いながら体を起してぼりぼりと頭を掻きながら周りを見渡せばどうやら俺しかいないらしい。……いや、違った。ふと下に目を落とせば俺の脚を枕にして寝てるなまえがいた。何でこいつ…はぁ、とため息をついてデコピンしてやればあいたっ!と言ってデコを抑えた。

「あー…フィン起きたんだ」
「ああ。…で、お前は何で俺の脚で寝てんだよ」
「そこに脚があったから」
「黙れ」
「…嘘。フィンが寝てたから」

 目をこすりながら未だ俺の脚を枕にするなまえが何か可愛く見えた。やべェ。俺、発情期か?

「…他の奴らは?」
「みんな?飲みに行ったよ。フィンクスだけ起しても起きないからほっとけって言ってー…置いてかれてた」
「お前は?」
「私はそんなフィンが可哀想だから残ってあげた」
「そりゃどーも」

 早くどけ、と言って起きようとしないなまえの両脇に手をいれて座らせる。が、

「…、………んー」
「………」

 まだ眠いのかコクコクと頭を揺らしてる。そのままボスン、と俺の胸に倒れ込んできた。…オイオイオイ。

「…なまえ」
「……ん?何?」
「ん?じゃねェよ。起きろ。飲みに行くぞ」
「えー?」
「…眠いのか?」
「おう」
「(おうって…)……んじゃ俺だけ行くぞ」
「…え、ヤダ。」

 いや、お前それ反側だろ。俺の腕を掴んで目を見開くなまえに一瞬ドキッとした。

「私待っててあげたのにフィンは待っててくれないんだ?」
「お前なァ………ああ。待たねェ」
「えー酷っ」
「何とでも言え」
「…え?」

 ドサ、となまえを押し倒す。驚いて動揺するなまえにニヤッと笑ってやった。

「もう待てねェよ」



Don't stop.

ブレーキなんざねェんだよ。
(え、ちょ、フィン?)
(あ?)
(た、たんま!ちょ、ええ!?)
(お前が誘ったんだろ)
(誘ってない!)






20101105
from みっつん






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