嫉妬、みにくい

そんなの分かってる。だけど、どうしようもならない時だってある。なぁ、分かるだろ?







今日、ガゼル様とリオーネが話していた。皆から少し離れた所で。それも楽しそうに。

そんな様子をイライラしながら見ていると、俺の所にクララがやってきた。
クララは俺の近くに来ると、ガゼル様とリオーネはダイヤモンドダストのときからよく2人でいるとか、リオーネはガゼル様のお気に入りだとか言って俺をからかった。
しまいにはクスクス笑いながら
「このままじゃ、リオーネ取られちゃうかもよ。」
と言った。その後、まぁ頑張ってね、と付け足してボンバの方へ行ってしまった。







あぁ、イライラする。

さっきのクララの言葉もそうだが、馴々しくリオーネの肩に手を置いて話し始めたガゼル様にも、それを嫌がる様子もなく受け入れているリオーネにも、本当にイライラする。







もう我慢できない







俺はガゼル様とリオーネの所へ行ってリオーネの手首を掴み、グラウンドを出た。ガゼル様が何か言ってるみたいだが、そんなの知ったこっちゃない。

「痛っ……。ネ、ネッパー!?」

「いいから黙って来い!!」

俺はリオーネの手首を掴んだまま廊下をどんどん進んでいった。そして、適当に角を曲がった所で足を止めた。

「ネッパー?どうしたの一体……。」

「お前、何でガゼル様と2人で話してたんだ?」

そう言ってリオーネをキッと睨みつけると、彼女は小さい声で「ガゼル様が私に話があるって……」と理由を話し始めた。

ぶっちゃけ、理由なんかどうでもいい。俺はただ、自分以外の奴を見て、ソイツと楽しそうに喋っていたリオーネにムカついた。それだけ。

「俺達、付き合ってるんだよな。」

「えっ…。そ、そう、だけど…。」

「じゃあ何で!!」

そう言ってリオーネのすぐ近くの壁を思い切り殴った。バン!!という壁の音とリオーネの短い悲鳴が廊下に響いた。

「何で俺以外の奴としゃべってんだよ!!何で俺以外の奴を見てんだよ!!お前は俺だけ見てりゃいいんだよ!!他の奴なんか見るな!!俺だけ見てろ!!」

嫉み、怒り、悲しみ、憎しみ。それらの感情がひとつになり、言葉になって出ていく。

「ご、ごめん、なさい……。」

リオーネが涙声で謝った。俺から顔を反らして、ずっと下を向いている。


俺はおもむろにリオーネの仮面に手をかけ、それをゆっくりと取った。仮面から出てきたリオーネの素顔。その顔は彼女自身の涙で濡れていた。
そして俺はリオーネの顔を自分の方に近付けた。翡翠色をした瞳の中に俺が映っている。


そう、この瞳の中に映るのは俺だけでいい。俺以外が映ってはいけないのだ。


「お前が見てもいい奴は俺だけなんだよ…。」


そう言って、俺はリオーネにキスをした。







わがまま過ぎるこの俺を、どうか許して。







僕以外見ないで
(だってお前は俺のモノ)










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後書き
ネッパー企画「闇に光を」に提出した作品です。提出が遅くなってしまい、大変申し訳ありません……。
初めて小説を最後まで書けた気がする……。今まで途中で諦めていたからなぁ。
それにしてもリオーネリオーネうるさい小説だなぁ。

慣れない小説なので、誤字脱字などがあったら拍手等で知らせて下さい。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました!!





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