密室アクアリウム

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 身を守らなければならないという無意識の衝動と、今すぐ相手の動きを止めなければならないという本能が働いて、xxxの腹部に包丁を突き立てた。xxxは本物の生き物のようで、ザシュ、という生々しい感触が包丁を通して柄から手の平に伝わった。
 凶器を刺したというのに、xxxは鈍い動きながらもまだ生きているようで、大きく不気味な目をギョロリと動かしてこちらを見た。この生き物は今すぐ殺さなければならない。包丁を一度引き抜くと、再び腹に刺した。狂ったように何度も何度も突き刺し、臓腑を抉るように柄を捻った。
 やがてxxxは動きを止め、フローリングに倒れ伏した。死んでいた。
大きく穴の開いた腹部から、心臓が顔を出していた。果たしてこんな部位に心臓などあっただろうか。
 疑問に思いながらも今はxxxを殺す事が出来たという達成感と安堵に襲われており、そんな下らない事を考えている暇などなかった。どっと疲れた身体を引き摺り、寝室へと逃げた。

6/96 兆候

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