気まぐれに短文
南ブ
じっとりとまとわり付くような熱を振り払いもせずにいた。
繋がった掌。
湿った髪が、額に頬に首にはりついて、何とも心地が悪い。
上杉が自由な方の手で髪をかきあげると、あらわになった額に南条が触れた。そっと髪に手を差し入れ、撫でる。
額、頬、顎、首。南条はゆっくりとした動作で上杉をなぞる。汗ばんだ肌と肌とがはり付く、重なる。
肩、腕。滑らかとは言えない動作で上杉を辿る。やがて掌までおりると、指を通してその手を捕らえた。
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