気まぐれに短文



南→ブ

 ほんの一瞬、上杉の口許が歪んだようにみえた。

 気のせいだろうか。瞬きの合間に、違和感は消え去っていた。
 今の上杉は、いつものように口角を上げて、いつものように軽口を叩いている。
 何事もなかったかのように。

「なんじょー、なに難しい顔してンの」

 ほんの一瞬、俺の中にあった、奴に対する認識が歪んだような気がした。

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