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[ pragmatic / elysium ] spot ... 0 5 .



PM5:00 グロズニィグラード通令部にて

 ピピーッピピーッ!

『こちらパトロール、敵発見。増援を送れ!』
「こちらHQ。了解、増援を送る。敵を殲滅せよ。」

 グロズニィグラードにスネークが侵入した。3時間前から要塞内で彼を発見したという報告が、各所から届いている。お蔭で通信局は大忙しだ。発見の記録を取り、増援を送り、スネークを見失った後彼が現れるであろう場所の警備を強化し・・・。セオ中佐以下セオも局員も休む暇がない。

ピピーッピピーッ!

『こちらパトロール。警戒を解除してもよさそうだ。オーバー。』

 セオが通信をつなぎ、警戒解除の指示をする。そして通信相手の兵士に返す。

「了解。警戒を解除する。以後この周波数は使用しない。」
『ああ。』
「・・・スネークですね。」

 彼女は周りに聞こえない大きさの声で、通信相手にささやいてみる。相手は――スネークと思われる男は返事をしないが、通信を切りもせずじっと黙っている。セオは、わたし以外には聞こえないと付けたし、返事を待つ。

『・・・お前、あの時の通信兵だな。』
「兵士ではありませんが、きっとあなたが考えている人物で間違いありません。グラーニニ・ゴルキ―で会いましたね。」
『やはりお前か。』

 明確にそうだとは言われなかったが、スネークで間違いないだろう。

「目的はソコロフですか?西棟に行くのは難しいですよ、ちゃんと計画はあるんですか?」
『・・・お前GRUだよな。』
「ええ。」
『俺を通報しないのか。』
「それは、まぁ。」

「おいセオ、何をしている。」
「すいません中佐。」

「西棟に行く道は中央棟からしかありませんよ?わたしは西棟で仕事をしていますが手引きは流石に・・・。」
『待て待て待て、なぜお前が俺を手引きしようとするんだ?!』
「深い理由はありませんよ。ただ、貴方が速く任務を終えてくれれば、わたしの仕事もなくなって楽だなぁと・・・。」
『・・・まあ、いい。』
「上司がうるさいので失礼します、また何かあったら149.35に連絡くださいね。」
『おかしな奴だな。』

 セオ中佐が『電波を私用に使うな』と言いたそうにセオを睨んでいる。彼女は通信を急いで切り、通信の記録を取るふりをしてテーブルに向かった。







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