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[ pragmatic / elysium ] spot ... 0 4 .
PM3:00 グロズニィグラード通令部前廊下にて
セオは機嫌が悪かった。
それは部下にとって恐怖でしかなかった。普段から厳しい部長と温厚な副部長から成り立っていた微妙なバランスが崩れ、通令部は地獄であった。いつもと同じペースでやる仕事が遅いと怒鳴られ、セオ中佐にされるのと同じようにため息を吐くなと注意され。なんて理不尽なのだと思う暇もなく、ただただ初めてあんな鬼のような顔を見せたアルマーズ少佐を恐れていた。
彼女の様子が恐いのは部下だけではないようで。
「・・・・・・アルマーズ少佐?」
「なんだ、うるさいいぞ!」
「理不尽だ!」
「大体なんであんたがここにいるんだ!蛇狩りにでも行けば良いじゃないか!」
「ヴォルギン大佐が許可してくれないんです!」
セオのほぼ日課となった、通信室前廊下でコーヒーを飲むという行為。今日も今日とでイライラを抑えながらこなしていたのだが、ちょっかいをかけにきたオセロットが鬱陶しい。自分も休憩中だからと彼は言うが。
「聞きましたよアルマーズ少佐、スネークに負けたそうじゃないですか。」
「オセロットよりはましな負け方だと思っている。」
「・・・・・・。」
オセロットが黙った。セオはちょっと機嫌がよくなった。
「あいつは体術が得意らしいな。あっけなく捕まって喉を掻き切られるかと思った。オセロット、あいつを何としてでもしとめろよ。」
「それが出来たら苦労しません。」
「鍛錬しろ!」
そんな無茶な!そうは思ったが、オセロットは反論するのはセオの気分を損ねるだけだと思い、しぶしぶその場をあとにした。せっかく会いに来たのに、散々だった。