02
「あ、あら……」
「ア?」
扉が開いて新見が出てくると思った直人が見たのは、それなりに割れた肌色の腹筋。すっと目線を上げると、黒髪赤メッシュの半裸青年が腰にタオルを巻いた状態で、目の前にいた。
「ぎゃあああ!なんだお前えええ!?」
間が開いて数秒。直人は仰け反って驚いた。半裸の青年が現れれば誰だってそんな反応をする。青年は濡れた黒髪をかきあげ「いきなり叫ぶんじゃねェ。こっちが聞きてェよォ、チビ」と初対面にも関わらず口が悪い。
「……お前、新のなんだ?」
「ハア? なんだってなんだよォ……」
「恋人か何かか?」
「ハア?ハア……意味わかんねェ。こっちは汗でベトベトで気持ちわりィんだよォ、風呂ぐらい入らせろォ」
その発言で直人がピシッと固まった。アルベルトは「おい、待てブッコロス」と言い、取り出した銃を青年に向けた。
「汗って……え?え?新あああああ!!!」
何か大きな勘違いをした直人は新見の部屋に慌てて上がり込んだ。新見は大きなベッドでスヤスヤと眠っており、起こすのが忍びなかったが、直人は新見の身体をゆすって怒鳴る。
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