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先ほど夜美がもうダッシュで行った部屋からすごい物音がした。
と思ったら、バタバタと人が出てきた。
「いやぁあああああああああああああああ!!」
「本当夜美お嬢様って滑稽ですねぇ。いい加減薬の効果無くならないんですかね?
「もとはといえばお前が原因だろうが!!」アル坊ちゃんカルシウム足りてますか?」
「足りてる!!」
「離せ!!吐く!!吐くぞ!お前の服についてもいいのか!!」
「新!!吐くな!!根性をみせろ!!今は逃げる事だけ考えろ!」
「アル、新無視してそのまま抱えろ!「直さん!!?」
新たには悪いけど夜美に殺されるまではマシでしょ!?」
「なぁ・・・市来に電話してもいいか?遺言したい」
「あきらめるな!!生きろ新」
なんかカオスな光景がみえるんですけど。
これは何?
私に死ねって言う事?
チビーズがバタバタと私のいる方向へと走ってくる。
ん?何人か見覚えがあるんだけど
「あ、アル・・・?・・・・ベルト!!?先生・・・ちいさ!!チビアル!!」
「あ!唯お前・・・・縮んで視界が変わっても相変わらず胸ねぇな「お前ぶっ殺すぞ!!」
殺すならあっちにしろ」
小さいアル先生が205号室にいる黒い物体・・・いや夜美を指さした。
いや、無理。絶対無理、逆に殺される。
「お前ならできる!」
「どんな信用だよ!ふざけんなてめぇ!!」
「唯お嬢様は人間として終わってるともっぱら評判です。
・・・大丈夫ですよ!自信を持ってください」
「それ、どんなフォローの仕方だい?」
ケラケラとトウマが笑っている。
このくそ執事本当・・・ぶっ殺したい。
いいよね、次の新聞のニュースで名前でると思うけど別にいいよね?
ボキボキと腕をならして睨みつけると新ががくがくと震えだした。
「新をいじめるな!!」
「先輩泣くな!!私が何か悪いみたいじゃないか!!」
「いや現に唯お嬢様の顔が怖すぎて、泣き出しそうなんじゃないですか?」
「トウマぶっ殺す、ぐちゃぐちゃにしてやんよ・・・・」
目をかっと開き、ぎりぎりと歯を鳴らすとさらに新先輩が悲鳴をあげる。
・・・・なぜだ(無自覚)
「その殺意、夜美お嬢様にやってください。
今の戦力ははっきりいって唯お嬢様だけですから」
「なんで、トウマはそんなに偉そうなの!?」
直人が悲鳴みたいなツッコミをした。
一辺こいつの頭バリカンで刈り取りたいな・・・そう思ったらトウマがさっと頭を隠した。
・・・・ちっ。
「・・・・唯・・・」
ぽつりと夜美が呟く。
びくりと肩が震えた・・・・。
「・・・・何でしょう?」
無理矢理笑顔をむけるとニコリと夜美がわらいかけた。
「お着替えしよう?」
そう言って取り出したのは・・・
「それバニーガール(どこで販売しているかわからない幼稚体型用)じゃねぇかあああああああああああああああ!!!ふざけてんのか合法ロリイイイイイイ!!」
体型にあわないバニーガールだった。
それを見た瞬間トウマが噴き出した。
「あはははははははは!!!ばっバニーガール!!
胸ない女にバニーガールって!!くすくすくす!!本当夜美チョイス最高」
「てめーのその頭丸坊主にすんぞ!!?」
「やめてください。
イケメンが坊主になったところで美坊主になるだけじゃないですか!」
「美坊主って何!!?」
「市来・・・電話に出てくれ・・・死ぬ、このままだと死ぬ。
ストレスで胃が爆発する!」
「大丈夫、この薬を飲めば・・小さくなれるよ。 唯だってかわいくなる」
「私だって可愛くなるってどういう意味でしょうか?」
「「自分の胸(まな板)に尋ねてください」」
なんでこんな時に限ってシンクロしてるんだよ。
なんだよ、予行練習してきたのかお前ら!!
ふいにガっと肩に痛みが走り、クラっと意識が飛びそうになる。
後ろを振り向けば、夜美が紫色の液体を持って笑っていた。
「唯お嬢様〜それ飲むと僕たちみたいに小さくなりますよー。
10分くらい生死彷徨いますが頑張ってください」
「そんな変な薬飲んでたまるか・・・・・ががっだだだだっ
離せ夜美・・・・!!」
「やー・・・薬飲んで着せ替えごっこするの」
「夜美がした方が可愛い、絶対可愛いって!」
「・・・するのは好きじゃない」
さらに力がつよくなった。
いただだだっこのままだと腰曲がる。
ぎしぎしと骨の悲鳴がなっているんですけどぉおおおお・・・・
アル、やめろ助けようとして右足ひっぱるな!!
組体操の扇型になってるから!!やめろぉおおおお!!
「姉ちゃん!!」
バンと扉を開いた。
その反動で夜美が階段付近までぶっ飛ぶ。
「鷹野さん平気・・・?「真也おっせぇえよ!!出番待ってましたとばかりに出てくるな!!」え、えぇ・・・・!!助けたのにこの仕打ち」
「・・・・真也この服やっぱりやだ・・・恥ずかしい」
「可愛いよ!田村さん!!」
沙弥の声がいつもより小さい気がする・・・・下を見下ろすと
幼稚園児の恰好をした沙弥がちょこんと立っていた。
私が助けに入る前にあの紫の液体を飲んだか頭からかぶったかしたらしい。
ロリ化していた。
思わず噴いた。
そして隣にいた新とアルベルトも一緒に噴いた。
沙弥はかぁっと赤くなりバタンと部屋の扉を閉め、鍵をかけた。
ごめん・・・・でもその恰好はないだろ
「あぁ・・・やっぱりゴスロリの恰好の方がよかったのかな」
「なぜ持っている」
「それとも七五三の恰好?」
「だからなぜそれを真也が持っているの?」
そういうと真也が目をそらした。
そして手で顔を隠し、震える声でこういった。
「姉ちゃんが・・・・」
お前も被害者だったのか・・・・なんとも言えない気持ちになった。
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