「ってことで夜美体育つぶして?」
彼女になんて言う頼みごとをするんだ。
手を合わせて上目使いで普段見せない表情で見てくるオズに心の中で引きつつ
体は興奮しているのがわかる。
だって仕方がない、嫌いだけどこいつのこと好きだからしかたがない。
自分でもわからない感情に押しつぶされてしまう。
私の事本当にすきなのか?
いつもその質問に答えは出てこず、オズに言ったら捨てられそうで
ぐっと堪え言えず日々は過ぎていき。
もんもんとしている中オズからのお願い。
どうせならもっと可愛いお願いがよかった
いや、可愛いお願い何て一度もされたことないんだけどさ。
振り返ると警察に連行される勢いのお願いしかされたことがない。
風来さんにいつもそれで怒られるけど
なぜか逆らえないんだよ。 きっと好きだから・・・
はぁっとため息をし、私は言った。
「無理だよ」
「えぇ?破壊神なら大丈夫だって。 体育というものを壊せはさすがに無理だと思うけど
体育館破壊ならできるんじゃないの?」
「・・・・破壊してどうるの?」
「どうって・・・・・うーんさぼるかな」
また女遊びかと口元がピクリと動く。
そんな私の事なんておかまいなしでぺらぺらと話し出すオズ。
本当なんでこいつのこと好きなんだろう。
「理由がないなら壊さなくったって」
「だってドッチボール何てやる気が起きない。
聞いてたさっき兄さんなんて言ったと思う?
やっと殺せるチャンスが巡ってきただってさ?
3組合同らしいし。 となると夜美のお兄さんだってくるだろうしね?
まだ死にたくないんだよ僕は」
わくわくしているようにしか見えないオズをジト目で見ながら
頭を抱える。
こいつの本心が本当わからない。
死にかけるといったら普通恐怖で怖がるんじゃないのか?
むしろこいつは喜んでる。死にかけるというのに
普通の人間なら死なないだろう。だけど相手は破壊神という名の化け物
まぁ私もそれだけど。
人じゃない者がボールを投げ当たっただけで死にかけることもある。
普段の私たちはある程度抑えてることも出来るだろうけど。
シバにーにはオズにいい印象を持っていないむしろジオの事も入り
最低な印象しかないだろう。
オズはそれを知ってますます喜んでいたけど・・・。
「天邪鬼・・・・?」
「何が?」
「オズってよくわからない」
「彼女なのにつれないなぁ?僕はいつも本心しかいってないのに」
私の首に手をまわして、首をかしげてくすりと笑った。
こういう顔すごく困る。
普段のゲス顔とまた違う私しか知らないのかな?って満足感に浸る。
いや、アイツの事だから他の女にもしているんだろう・・・
あぁ、もう嫉妬なんてしたくないのに。
うつむき、無言の私が変なのか不思議そうに見るオズ。
「今日はいつもの喧嘩腰じゃないの?
つまらないな。どうしたの、風来になんか言われた?」
手を離して今度は優しく抱きしめてきた。
急に恥ずかしくなってそのままズッツキをかまし逃げ出す。
顎に手をあて、オズが呻いた。
「いって・・・・」
「ごめん!ちょっと体育館ぶっ潰してくる!!」
「おいっ?! 人の話ちゃんと」
「聞いてる!!ぶっ壊せばいいだけだからすぐ終わる!」
オズが何か叫んでる。
だけどなんか怖くて聞けなかった。
あぁ、もう・・・なんで
「オズの事ばっかり考えてるんだろう・・・」
思考が停止してただがむしゃらに走った。
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