ヒロ様とコラボリレー | ナノ


ゲーム再開


気が付けばオズがいなくなっていた。
手には壊れた万年筆を握っている。
ベッドに入りガタガタ震えた。

「オズ、オズ・・・どこ・・・?オズ?」

カレンダーを見る限り現代に戻ってきたと思う。
どうやって戻ってきたかは覚えてない。
覚えているのは私はオズの生きている時代にいってオズとチェスをしたりしたという事だけだった。
もっと大切な何かがあったと思うけどよく覚えてない。

怖い、怖い。
誰か助けて・・・・オズどこいったの

死にそうなくらい怖かった。
だけど名前を呼んでもオズが出てくる様子はなかった。
怖いから眠った。
眠たくなくても眠った。
寝ていたら考えることを忘れるから。

何年寝たり起きたりを繰り返しただろう。
音がした。
こつこつと誰かが地下にある書斎へと歩いてくる音。
男性のようだった。

「うわーっぷ。 ほこりだらけ!! アルちゃんと掃除してるのか!?」

「おじさん、オレ今帰ってきたんだけど」

「それはそうだった・・・・な。 市ノ瀬も会いたがってる」

「殺したがってるの間違いじゃぁねぇのか?」

懐かしい声がする。

聞いたことがある。
誰だっけ・・・・?

真っ赤なビジョンが浮かぶ。
頭が痛い・・・・・・
アレンとよく似た金髪に空色の男性がこちらに気づいた驚きのあまり悲鳴をあげた。

「・・・・な、なんで女の子が・・・?!誘拐され・・・へ・・!!?」

「そんなわけねぇだろ。 おいガキンチョ名前・・・・・」

アルと言われる青年が私をみて驚いた。
赤い目が私を見る。

やだっ・・・・赤い目怖い

シーツを掴んでガタガタと震えると。
男が笑った。

「・・・・こんな所にいたのか」

「アル知り合いか・・・?」

「あぁ・・・・ずっと昔。 チェスの相手してやった・・・・
懐かしいなぁ・・・・なぁヤミィ・・・・?」


私の髪を掴み楽しそうににやりと笑う。
あぁこのイントネーション。この笑い方・・・赤い目。

「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ」


そして意識がなくなった。
これからきっと私はこいつにまた遊ばれるんだろう。
殺されて殺されて殺されて・・・・・もういないあいつの名前を呼んだ。
でもオズが話しかけてくることはなかったのだ一生。

ずっとずっと私は一人ぼっち。

冷たい地面の感触がやけに冷たく私の体温を奪った。



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