怪物が思う事
急いで階段を駆け上がりオズの部屋をノックする案の定返事がない。
「オズ!!、オズ!!開けて!!」
声がしない。
どうしよう
なりふり構ってられない。ドアを蹴り上げた。
思ったよりドアは頑丈ではなく(いや私が化け物だからか)
すぐにドアは壊れた。
みしみしと人が一人は入れる位に穴をあけ、部屋の中へとはいった。
ツーンと消毒の匂いと濃い血の匂いがした。
オズはいたベッドに寝ている。
手には薬のようなものを握っており、錠剤が床に散らばっている。
汗を大量にかいていて、何やら苦しそうだった。
「あ、やっと見つけました。 オズベルト様」
フィオレがひょこっと先ほどこじ開けた扉からゆっくり入っていく。
声に反応してオズが視点の合わない目でにらんだ。
「・・・・遅い」
「これでも馬できたんですよ。 早急に来てほしいと連絡があったので
苦しそうですね? もう楽になった方がいいのではないですか?
毒草もあるのですがそれで一思いになくになってはいかかですか?」
「・・・・!!?」
「・・・・うざいんだけど、お前。 本当気持ち悪い」
「私は人を助けるのが生きがいなんです。 殺せと言われたら殺しますし
助かりたいのなら助けます。 今のは選択肢を広げてあげようとしたまでですよ?
悪意なんてこれっぽっちもありません!オズベルト様の幸せが私の幸せなんですから」
「・・・あぁ・・・・頭に響く。 いつもなら同じくらいぺらぺら言いまくしたててやるのに・・・・もう薬おいてどっかいって」
「オズベルト様がそう望むなら!!」
そうにっこり笑って薬だけおいてフィオレという女性はすぐさま帰っていった。
唖然としていると薬とってとオズがせかす。
「・・・・・あー・・・痛い」
「大丈夫?」
「・・・怪物に心配されるとか吐き気がする「そんな悪態つくくらい余裕があるなら
大丈夫だよな?」・・だっ・・・優しく塗って」
痛いのか顔が苦痛にゆがむオズ。
さきに喧嘩ふっかけてきたのはそっちの方だろうが。
いつもの仕返しと言わんばかりにぐりぐりと塗り薬を傷口に塗りたくった。
「・・・・殺されるかと思った・・・・」
「そんなわけないでしょ!! これで大丈夫じゃないかな」
「・・・・あぁ・・・かも、いくらか楽」
目を閉じて、オズが小さくつぶやく。
先ほどよりは呼吸が乱れていない、落ち着いたんだろう。
ほっと胸をなでおろす。
少しすると小さい寝息が聞こえた。
痛みがなくなったんだろうあどけない寝顔だった。
タオルで顔をかるくふいた。
本当なら汗ふいた方がいいんだろうけど・・・やめとこう。
オズの服脱がしたら痴女って言われそうだ。
ふけそうな所をタオルでふいてある違和感に気づく。
右目の傷と腹部への傷の形がすごく似ていた。
・・・・何かの鋭利な刃物で切り刻まれたような、そんな感じ。
「これって・・・・ナイフ・・・?」
嫌な予感が頭をよぎった。
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