嫉妬愛
「ショタコーン、変態。 まさかとは思うけどカインに手を出そうと思ってるわけじゃないよね?変態」
ダンスが一通り終わったと思ったらオズが私の腕を引っ張り廊下へと連れだした。
そして口が開いたかと思えば変態発言。
どうしたらいいんだろう・・・・
お前に言われたくねぇよ。
「あんたじゃないんだから当たり前でしょうが!!」
「え?だって鼻血だしてたじゃない」
「・・!!?いつから見てたの?!」
そう叫ぶとオズはニヤニヤと笑い出しさぁいつからでしょう?と笑った。
侮っていたこいつの聴覚、視覚怖い。
気持ち悪い
顔に出ていたのかオズが興奮気味にそそると囁いてきた。
殴りましたもちろん。
「あーいった・・・・あざ出来たらどうしてくれるの?
顔が売りなのに」
「ナルシストやめろ!!」
「だって現に顔で釣られる女ばっかりだもん。
どいつもこいつも、金か顔、顔顔顔・・・金金金・・・ほんとうまいっちゃう」
「・・・・オズ?」
心配そうに顔を覗き込むすると小さく声が聞こえてきた。
「お姉さんね、好きな人がいるんだけどその人がいろんな人と話してて見たくなかったの。
ちょっと嫉妬しちゃったんだ。・・・・私だけ好きなのかな?ってなって・・・急に恥ずかしくなって逃げてきちゃった」
・・・・ん?
聞いたことあるフレーズに私の体がピタリと止まった。
オズはニヤニヤとこちらを見ている。
バンと壁に手をつき、ぐいっと顔を近づける。
あと3センチくらいで触れそうな至近距離。顔をそむけようとするともう一つの手で
まっすぐオズの顔をみるように固定される。
「これ・・・・・誰の事かなぁ? 夜美・・・?
お兄さんにいってごらん?」
「おじいちゃんの間違いだろ!!?」
「えー?こんなピチピチ肌をおじいちゃんだなんてそしたら夜美って
おばあちゃんってことぉ?くすくす」
「ぶっ殺すぞお前!!」
オズがポケットから瓶を取り出す。
それは血のように真っ赤な液体だった。
ぐいっと飲みほし・・・・にやりと笑った。
「・・・・あぁ・・・まずい。 もう少し改良した方がいいか・・・」
「お前何飲んだ・・・?」
「・・・・ん?あぁ夜美知らないんだっけ? ダンス踊ろうにも僕と君の今の身長差だとただの親子にしかみえないからね」
「どういう意味だ!!」
「せめて恋人同士っぽく見せようとね。 孫に見せつけられたとなればおじいちゃん頑張るしかないでしょう?」
オズが上着を脱ぎ、にやりと笑う。
180cmくらいあった身長は私とほぼ同じくらいに縮まり優しく微笑んだ。
唖然としている私をよそにオズは
私の手を優しくとり手の甲に口づけした。
「僕と踊ってくれますか? ・・・まぁ拒否権なんてないけどね」
肩を抱かれ、会場の中へと入る。
カインが嬉しそうにほほ笑んでいた。
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