ヒロ様とコラボリレー | ナノ


脅迫とヒント


「風来先生そうかっかしないでくださいな」

そう篠崎教頭・・・ひな子(年齢を聞くと怒る年増)はくすくすと笑っていた。
手には高級そうなコップを手にしており中身は匂いからして紅茶のようだった。

「篠崎教頭! その飲み物どこで!? 体育館での飲食は禁止ですよ!」

「いいじゃない。 どうせ1日つぶれることでしょうから」

風来先生も飲みます? そういって篠崎は風来に向かってほほ笑んだ。
脱力感に力が抜けそうになるのを押させ頭を抱えて悩んだ。

「入学式中止といい変なイベントをしだして・・・・・・ 本来入学式は1年生を迎えるための行事ですよ。
友達ができる機会とかそういった曖昧な理由で許されるとでも? 」

「別に私はそんなちんけな理由でいったわけじゃないわ」

紅茶を一口飲み、コップを机に置いた。
風来に顔を向き目を合わせる。 パチンと指を鳴らすとありえない光景が広がった。

「・・・・なぁ!!? 」

「生徒の監視、および調教 それが今回の目標かしら?」

口元に手をあて不敵な微笑みを浮かべるひな子。そう彼女の周りにはさきほどまでここになかったもの
体育館いっぱいのカメラが現れのだ。
カメラの映像には保健室、教室、廊下、校庭。 学校のありとあらゆる場所が映し出されている。

「この学校には力を持て余している者。 人間じゃない者。 ある能力に特化した者。つまりは異常者が数多くいるんです。
だからこのイベントをもって人を選別するんですよ。 平凡な生徒を守るために」

生徒を守る為そうは言っているけど彼女の顔を見る限り楽しんでいる風にしかみえない。
そう風来は悟った。
先生たちも驚愕したのだろう、なぜなら職員室や教師専用の休憩室もテレビに写っているのだから。

「因みにこのイベントに拒否権はありません。 先生方ももちろん。 拒んだら今までやらかしてきた恥ずかしい映像を
ネットにながします。 〇outubeなんてどうでしょう? 〇コ〇コなんていいかもしれませんね?」

くすくすと笑いだす篠崎教頭。

「ぷ、プライバシーの侵害です!!」

「やっべーということは机の中に使用のPC隠し持ってるのも「もちろん知ってるわよ。ちなみに秘密フォルダは全部コピーさせてもらったわ」」

「因みにあんた達のただれた関係なんかも持ってたりして」

ちらりと写真を見せつけるひな子。
顔はみえないが様子を見る限り何人かの生徒および先生が青白い顔をしている。
それを満足そうに見つめ、女王はこう言った。

「もう一度いいます。私を楽しませなさい?」

それはもう脅迫と言う事に気づいてみんなが悲鳴をあげるのだった。


「さ、一般生徒は体育館に残りなさい。30分したらここも鍵を掛けましょう。死にたくない生徒はここに残りなさいね」

「篠崎先生!!「あら、風来先生まだいらっしゃったんですか?」」

風来が口を開く前に篠崎が指で風来先生の口をふさぐ。

「今、一般生徒はここにしかいません。この意味わかりますか?つまり、特化した生徒がこの外にいると言う事です。
夜美さんはもちろんここにはいませんよ。」

つまり、夜美がこのイベントに巻き込まれる。いやこのイベントを口実にして暴れる
気づいた時には風来の顔は真っ青になっていた。

「っ・・・・夜美っ!!」

篠崎の指を払いのけ体育館の外へと駆け出した。
その光景をずっとみていたミヤビがため息をついた。

「めんどくせーな・・・・」と

***

そんなイベントも知らずにジオ、シバ、歩実は廊下を歩いていた。
自分たちの教室へと行くためである。

「そういえば、ジオそれはなんじゃ?」

「んー? なんか 部室にあった」

そういってジオは茶色い封筒をひらひらと見せた。
中を開いてみる。

一枚の白い紙に文字が書いてある。

「「・・・・・・ 第1の宝物ヒント 生き物・・・?」」

意味が分からずジオは首をかしげる。シバも同様に首をかしげた。

「なぁ、これどういう意味なんじゃろうか「あーメンドクサイことになりました。」阿弥央? 」

歩実は耳をふさぎ、煩わしそうに目を細める。
唇を噛みしめなにかに耐えているようだった。

「どうやらあの忌々しい篠崎 ひな子がまた何かやらかしたみたいです」

「そうなのか? まったく知らなかった」

「伊達に獣耳ついている分けじゃありませんからね。 ジオさん物欲しそうに見つめないでください」

ぴくぴくと動く歩実の耳を触ろうとして避けられたジオは無念そうに歩実の耳を見つめる。
それをほほえましい様子でみていたシバはこう聞き返した

「それで?何があったんじゃ?」

「どうやら宝物を見つけるゲームみたいですね。 なんでもヒントをもった生徒はそれを死守しなければならないみたいです」

「おぉ!これだな!!「そしてそのヒントを欲しがるものがきたらその人と勝負をしなければいけない」」

「・・・・・・ 勝負?」

「うーん・・・・・・ ここからだと結界が邪魔してあまり聞こえませんね。 
仮にも陰陽師の血を引くものですね。 忌々しい」

「阿弥央怖いぞ」

「あぁいう、人間嫌いなんですよ。 死んでほしい」

牙をむき出して変化を解こうとする歩実をどうどうと落ち着かせるシバ。
そんなやりとりを見ていないのか大声でジオが言った
「勝負ってことは大食い対決でもいいってことだよな!!」

目はきらきらと輝いている。

「・・・・はぁ、なんかジオさんみてたら怒るのもバカらしくなりました」

「怒った時はぎゅうにゅうだ!!」

「牛乳じゃぞ」

「ニュアンス難しいな日本語は」

Ahahaと愉快に笑うジオ。
それを見ながら歩実はこう答えた

「でも、それって人によっては殺し合いに発展するってことですよね?」

ヒントを持った生徒の中ににやりと笑う男子生徒の姿が見えた。



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