頂き物語 | ナノ


Buon Natale キューピッドが先生



□アルと沙弥ちゃんのコラボ
□最終的沙弥ちゃん真也くんカップルの惚気
□ギャグ甘
□沙弥ちゃんと真也くんが恋人設定








「悪かったな。クリスマスにこんな付き合いさ せて」

「いえ、どうせ暇ですから・・・」

がやがやと人がクリスマス一色で賑わっている 中私とアルベルトさんがゆっくりと街頭をある く。 周りはカップルで溢れており本来なら私も平城 と一緒に 手をつないでここを歩いているはずだった。 先ほどのメールから早1時間いまだに返信が 返ってこない。

せっかくのクリスマスなのに・・・ ため息に近い白い息を吐きアルベルトさんのあ とをついていく。 彼はよくわからない。外国人なのにやけに日本 なれしてて しかも極度の甘党糖尿病になるってくらいの量 を一気に口の中にいれるまさに怪物だ。 そしてヘビースモーカーでもあるらしい 私がいるからなのか今は吸ってはいないがその かわり 棒付キャンディーを頬張っている。

「ま、すぐ終わるからしばらく付き合ってく れ」

「何をするんですか?」

「デート?」

まさかこの人からそんな言葉がでるとは思わな かったのでおもわず噴き出した。 それをみたアルベルトさんが冗談って笑ってい た。いや平城にバレたら私大変になる わかってやっているのだろう顔を隠して笑って いた。

「率直に言うと欲しいものがある。けどそれが 何かわかんねぇ だから田村お前のセンスで欲しいってやつが あったら言えよ?」

「え“?どういうことですか」 「今どきの高校生のセンスでいいんだ。この店 の中で欲しいのあったらいえ」

「欲しいのっていっても・・」

「お前が俺とデートしてるって平城に連 「わーーー!!すいません見逃してくださ い!!」 ここで待ってるから」

そういって店の外で待っているアルベルトさ ん。うん、彼はよくわからない そう思いながら店の中にはいる中は女の子が好 きそうなもので溢れていて 確かにこれじゃぁ彼が入れるわけないよねと思 う。 ちらちらと横目でみる女の子をよそに私は店内 を回った。

まぁ、ほかの人よりは女性らしくないけど ね・・・。

でも欲しいモノってなんだろう? 私だったらタオルとかスポーツ用品がいいんだ けどな・・・

でも残念、店内にそんなものなどなかった。 平城だったらどんなのをくれるかな?ヘアピ ン?ネックレス? 彼のものだったらなんでもいい

「・・・平城はやくメール返してよ」 泣きたくなるのを我慢して携帯をみる。まだ メールは来ていなかった

***

「私の趣味全開なんですけど・・・」

「Grazie!」

二パッと笑う顔にどこかまだ幼さが残る。帽子 や髪形のせいか 結構な年上だと思っていたがこうしてみると若 かった。そういえば風来先生たちと歳が 近かったような?

「・・・Grazie?」

「イタリア語でありがとうって言う意味だ。ほ かにも友達ならGrazie a te 敬語ならGrazie a Lei」

「どういたしましては?」

「うーんPregoでいいんじゃないか?直訳する とどうぞって意味だが」

「じゃぁ・・ぷ、ぷれーご?」

「そ。」

なんで外に言ってまで英語(イタリア語)を勉 強しなくちゃいけないんだろうか。 アルベルトさんの発音がよすぎてもはや呪文に 聞こえてくる。 普段イタリア語なんて勉強しないからなぁ

頭の中がぐちゃぐちゃになっている私をよそに 彼はどこかに電話しているようだった。

「・・・おう、今そっちいく。」

「相手だれですか?」

「・・・内緒」

そう言って私に向って何かを投げてきた。 中はシンプルな紙に包まれておりクリスマス ケーキと鍵が入っているみたいだ。

「・・・?」

「そんなかに鍵入っているだろ?まぁ平城に渡 せばわかると思う。 お前はそこであと3分くらい待ってろ」

「3分ってカップラーメンですか!?」

「オレはインスタントラーメンの方が好きだ。 」

いやいやどっちでもいいよ。 茫然とする私をよそに彼は「Buon Natale !」と 発音よく言ってすたすたと帰っていった。

キューピッドが先生

おまけ

「田村さん無事!!?」

「へっ平城!?くるしっ息できない!」

現れると思いきやすぐさま抱き着かれた。 ここ人とかいるのでなんていう大胆さなんだろ う

すぐに手を離し息を切らせながら私をみてい る。

「っふっ・・・柴谷くんがっ・・・ヤケ酒して てっ介抱するのに 手間取っちゃって。アルベルトさんから今田村 さんとデートしてるって 手を出されたくなくば今すぐ来いってきてっ はぁっ」

「平城息切れ半端ない。とりあえず落ち着い て」

「何もされてない!?大丈夫!?」

おろおろとしている平城。きっとアルベルトさ んが仕組んだことだろう 少しおせっかいだけどこんな平城の顔がみれる ならいいかな なんて思ってしまう。でもそのまま放置してい るとそのうち暴走したシンがでてくるのでどう にかしよう。クリスマスを真っ赤に染めたくな いしね

「別になにもされてないよ。 あ、そうだ。これアルベルト先生がって」

「鍵ね。それ近くのホテルの鍵なんだっ て・・・・田村さん」

「・・・何?」

「クリスマス、約束の時間に遅れてごめん。本 当はすぐいきたかったんだけど 「いいよ、大体察知してるから」・・・だから さ 今日だけ田村さんを独り占めしていい?」

「・・・・」

「オレ田村さん独占したい、この意味わか る?」

鍵をみつめながら交互に私をみる平城。 私だって独占したいにきまってる。

「アルベルトさんの好意に甘えよっか?」

平城の手を取り町中をゆっくり歩く、途中ふと 思いだして 振り返りこう言った。

「Merry Christmas!真也」

そう言ったら顔を真っ赤にさせて抱き着かれた。





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