カゲプロ | ナノ


※微妙に病んでるかも、雰囲気散文。

セトカノ

残酷なヒト


 荒れ狂う嵐のように強引で、残虐。

「ぼくはきみのそーゆーところがきらいだ」
「俺はカノのそういうところも好きッスよ」
 彼にコトバは通じない。いわゆる、デンパというやつなのだ。
 意志のソツーとやらはジョウジンであるぼくにはむつかしそうなので、ぼくはお気に入りのカウチに足を投げる。お前の座るバショなんてないというケンセーでもある。
 それでもクウキの読めない彼はぼくに近寄り、カウチに手をかけた。
「よるなよ、いじょうせいへきがうつる」
「どんどん移って俺の色に染まればいいのに」
 コウコツとしたヒョージョーで語るへんたいをブベツの目でみやる。ねっとりとしたシセンがぼくは昔からキライ。ダイキライ。
 ナカマいじょうのトクベツなんていらない。いらなかったのに。どうしたら彼に伝わるのだろう。
「俺に依存して俺にだけ執着してくれたらどんなに嬉しいことだろうってずっと考えてたんスよ」
 頭を強く打ったら、変われるのかなぁ。かわって、わかってくれるのかなぁ。
 カウチのえなめる革に爪を立て、ぼくはざっしをゆかにおとした。ばさっておとをたてながらぶざまにぺーじをゆかにひろげてまがっていくすがたはこっけい。
「カノ、」
 かれはぼくのなまえをよんだ。
 かれのなまえは、…………なんだったろう。
 とてもやさしいせいねんのなまえとおなじだったきがする。
「好き、全部大好き」
 かうちをはさんでかがみこみ、ぼくのほおにてをそえたかれはほほえむ。やさしい、にゅうわなえみとはちがってそのうちにこめられたものがひどくゆがんでいることをぼくはしっている。
 でもすごくにてる。やさしかったかれにそっくりだ。けどかれはやさしくないよ。みためばかりだ。やさしそうにみえたってやさしくない。かれとかれはちがうよ。だから、
「ぼくはきみがきらい」
 みけんにしわをよせ、てをふりはらうようにいってやるとかれはどこかきずついたようなかおでわらった。
「うん、知ってるよ。でも好き」
 ちゅ、とくちびるをおとし、かれはみをおこす。ぼくはおちていたざっしをひろい、しりもしないげいのうじんのちじょうへとめをむけた。
 かれがゆっくりとかうちからはなれ、へやをでていこうとしているのをかんじぼくはかうちのせにてをふった。みえてるかな。いちおう、くちでもいっておこう。
「はやく、もどってきなよ」
 こころやさしいせいねんよ。へやのおくからこらえたわらいごえとこうていのへんじがかえってきたのをかくにんし、ざっしをかおにのせる。
「僕もはやくもどってきてあげるから」


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書けないけど退行ネタとかも好き



「こーすけ!」

 何時もは不敵で何処か人を小馬鹿にしたような表情が嵌まる顔も、純粋なようでいて無粋な瞳も影を落とさない。
 無邪気に名を呼ぶ声にセトは素早く立ち上がると彼のもとへと急ぐ。
「修哉、またッスか」
 肩口まで脱げたパーカーを直してやり、口元を拭う。ついでに指も拭ってやり、そのまま押さえ込む。カノは不満そうに口を尖らせた。
「おねーちゃんとあそびたい」
「お姉ちゃんは留守って何回目ッスかね、これ」
 爪噛んじゃダメ、とカノの手を握りこむ。
「ほら、お兄ちゃんが遊んであげるッスから」
 積み木を一つ持ち上げながら言うとカノは仕方ないって顔をしながらも頷く。
「おねーちゃん、かえってきたらおしえてね」
「了解ッス」


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※幼少捏造・シンカノシン(カノシン寄り、セトとシンタローができてる前提です)


 記憶の中の父さんは怖い人でした。お酒と女のヒトが大好きで、いつも変な臭いがしてました。
 女のヒトがいると父さんは機嫌がよくて、いないと不機嫌になりました。

「殴られたことは一度や二度じゃない。蹴られもしたし叩き付けられたこともあった」
そういうとシンタローは目に見えて身体を強張らせた。
「女のヒトがいたら父さんの機嫌がよくて、でもそれで全てが解決していたわけじゃない。寧ろ、いたときの方が父さんは僕を厄介がったよ。シンタローくんもさ、そうなんでしょ? だって僕がいたら、愛しのセトといちゃつけないもんねぇ?」
 ジャージの上から腹筋をなぞるように指を這わせるとぴくりと脇腹がひきつる。頬に手を添え、首筋に顔を寄せるけどシンタローくんは抵抗してこない。
「僕はね、一生懸命頑張ったよ。笑って笑って、必死に愛される子を演じた。でも、やっぱりダメだった。邪魔な子は結局最期まで邪魔にしかならないんだ。
 僕は――セトのことが好きだ」
「――っ、」
 シンタローくんが反応する。噛み締めるような唇が見え、指を這わすとシンタローくんはぎゅっと歯の根を合わせる。無理やり指を捩じ込み、歯茎に爪を立てると小さく呻いた。
「だって、セトは僕の手を握ってくれたんだ。嬉しかったなぁ。初恋だったんじゃないかな。
 それから異性ならお姉ちゃん、アヤノさんかな。アヤノさんはね、邪魔者の僕を家族にしてくれた。君が好きだった。ずっと僕に君のことを話して聞かせてくれた。
 なのに、君は残酷だね。アヤノさんを裏切って、僕やマリーからセトを奪って、次は君が、」
 痛い目を見る番なんじゃないのかな。
「そ、れは……っ、あ゙っがぁっ!」
 シンタローくんが何かをいいかけたけど喉仏に指をかけ止める。数回噎せ、涙目でこちらを睨んだ。知らない。
「セトに入れてもらった? それとも、セトに入れたのかな?」
 半ば強引に無視すると手を下腹部に持っていき、笑う。シンタローくんは頬を赤く染めながら目を背けた。ゆるく自己主張を始めているものの形を確かめるように指をぐるぐる回すとシンタローくんは辛そうに眉を寄せる。
「へぇ……こんなんでも反応しちゃうんだ。セト、可哀想だね。君はセトまで裏切るんだ?」
「ち、ちがっ……!」
「ちがくないでしょ?」


※オ・ワ・レ
肉付けしてないやつ↓

「んっふ、あ、ぅっん」
「ほら、もうこんな風にしちゃってはしたない。セトは君に声を抑えることは教えてくれなかったのかな?」
「う、る……さ、ひぁっあっふ、んっ!」
「ねぇ、セトに入れたの? 入れられたの?」

その後、セトに入れたって言ったシンタローのナニにカノが跨がって、アーッ!です(笑





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