カゲプロ | ナノ


シンカノ×2
セトカノ×1

※シンカノ



はあ、と真っ白な息を冷たい指先に吐いている鼻の真っ赤なシンタローくんを横目にマフラーを鼻の辺りまで持ち上げた。

「シンタローくん」

呼び掛けると、なんだよと言わんばかりの目付きの悪い顔が此方に向けられる。だけど、寒さで真っ赤に染められた鼻と頬が何処かその悪い人相を緩和しているように思え、僕は少しだけ喉の奥で笑った。

「目、瞑って」
「はぁ? やだよ、お前何するか分かんねぇし」

心底分からないのだろう、シンタローくんは怪訝そうに顔を歪めながら言う。

「何もしないから」
「何もしないなら目を瞑る必要なんてないだろ」
「ああもう、本当、君はたまに凄く面倒くさいよ」

ぶす、と顔をむくれさせるとシンタローくんがははっと軽く笑った。いや、そんな爽やかじゃなかったかもしれないが勘弁してほしい。
何故なら僕は彼にぞっこんなのだから。

「冗談だ。わるいわるい、ほら、目瞑れ」

無論、笑顔で頼まれたら断れない。
されど口を開くのも何処か癪だったので何も言わず黙って目を閉じるとシンタローくんの冷たい指がそっと頬に触れ、それから唇が落とされた。

「んっ」

優しい唇の触れ合いと、急かすように唇を舐める舌にゆるく口を開けば腰を抱き寄せられ、より深く何度も角度を変えながら交わった。
触れた箇所が熱く、触れた箇所から満たされていく。

ああ、君も僕も凄く面倒臭いね。





雪見大福を分け合うシンカノとかいないですかね。

「俺、雪見大福嫌い」
「え、なんで」
「食い辛いし、口の中凄く冷えるから」
「早く言ってよ、僕だって二つは嫌だよ」
「だったら買うなよ」
「」←半分子してほしかったけど何か今さら言いにくい
「なんだよ」
「セトにあげるからいい」
「」←食べたくないけど他の男に食べられるのは癪

こいつら面倒くせぇええ!!!っていうのがシンカノの魅力だと思うんですよ。シンタローはひねくれてて素直じゃなくて、カノは表面的には甘えるけど年下に見られるのは嫌。だから歳を基本的に気にしないシンタローとは一緒に居て楽だけど、これは恋人より年下くさいと感じると黙っちゃうのとか可愛くないですか!
シンタローも変にプライド高いから自分の発言を取り消すとか出来なくて、でも同意することも出来なくて、無言で止めろオーラを醸し出す。
第三者がいないと沈黙に包まれるシンカノ(笑)
喧嘩とかしても多分いつもと変わらないからわりと早くに仲直りしそうです。ちゃんと謝らないでなーなーで終わらせるから喧嘩すればするほど鬱憤が溜まっていくけど、別れようとかは一切頭にない甘々とかもいいですよね。
とりあえず、凄く寒いです。シンカノが暖め合ってる時、セトは交通整備のバイトで頭に雪積もらせながら鼻をずずっと啜ってほしい←
他のメンバーは炬燵で蜜柑食べながらバラエティー番組見てそうですけど(笑)




※幸修(セトカノ)

CP名から何となく察しがつく通り、メカクシ団がありません。二人はすでに付き合ってる感じです。



入浴後、鹿野の爪を整えていると鹿野が唐突に「薬指が淋しい」と言った。
一瞬、は、と思うものの次には意味を理解し、一気に顔に熱が集中するのを感じた。

「瀬戸、顔真っ赤だよ?」

茶々を入れる鹿野にどうしてそんな大事なことを軽く言うのだと言おうと顔を上げると、そこには、

「鹿、……修哉だって、顔真っ赤じゃないッスか」
「う、うっさいなぁ!」

耳まで真っ赤に染める鹿野の姿だった。こんなに真っ赤になるのとか、告白して付き合うことになった時と、初めて身体を重ねた時くらいのもので、ここ暫くは見てなかったような気がする。
思わずニヤけてしまう顔に鹿野は目敏く気が付くと、キッとキツく睨み付けながら「普通は君から言うんだからねっ! でも、なかなか言ってくれないしっ」なんて半ば涙目になりながら詰め寄ってきた。
尤もな話だったが言い出す機会がなかったのだ、仕方がない。未だに睨んでくる鹿野の手を離し、鑢をテーブルに乗せると鹿野は少しだけ不安そうな顔で見てくる。
俺は鹿野の頭を撫でながら、

「来週の休みに、二人で買いに行こう」

と言った。






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