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▽泡呼吸(♂吉♀浦)


「ねぇ、ちょっと嫌いなんだけど」


……2012/05/01 20:10


少しずつ梅雨に近づいてきてる頃に降るにわか雨は、じめじめとしていてあまり好きじゃない。
そんなちまちまと降るくらいなら、いっそ、何も見えない、どしゃ降りみたいに降ってしまえばいいのに。
少し水気の孕んだ前髪を弄りながら思う。

「井浦」

傘を忘れてしまったのか、昇降口付近に立っていた井浦が振り向く。

「あれ?吉川さん、まだいたの?」

笑顔。
井浦の笑顔はなんか、苦手だ。

「うん、井浦は?」

あ、困ったような顔。
聞かないで、って顔してる。

「この程度の雨なら走って帰れるかなぁ…って」

苦笑いをしながらいう井浦。

「石川は?」
「…河野くんと一緒に帰るって」

嗚呼、そういうことか。
鞄の奥に眠っていた折り畳み傘を取り出した。

「ふーん」

気まずくて逃げたのか、それとも気を使ったのか。
多分、両方。
不器用な馬鹿だ。
俺がたまたま居残りなんてしてなければ、びしょ濡れになって帰って風邪を引いて、余計に心配させるだけだろうに。
自分のことを思いやれない奴はやっぱり苦手だ。

「井浦」
「…ん?」
「帰るよ」

靴を履き替え、出口へと向かう。
なんとなくさっきより強くなっているような気がした。
きっと、この分では明日も雨であろう。

すれ違い様に井浦の手を握るとビックリしたのか顔を上げて。

「よ、吉川さん?」
「井浦のこと放置して風邪でも引かれたら、後味悪いでしょ」
「…ごめん」

ちょっとだけキツい物言いに井浦の申し訳なさそうな返事が聞こえて、無性に腹が立った。
なんだ、なんでこんなに腹が立つんだ。

「いい、謝罪とか。早く帰るよ」
「う、うん」

パサリと開いた安い折り畳み傘は、普通の傘より一回りも小さかった。

…二人も入るかなぁ。

私、やっぱり!なんて言いそうな馬鹿がいたから何も言わなかったけど、多分同じこと考えてるんだろうな。
右足がちょっと後ろに戻ってる。

井浦の手を強引に引いて、肩と肩が触れそうなくらい密着させる。
そして、一歩進んでから一言。

「…靴濡れた」

―――――……


はぁああ
雨が多くて辛い今日この頃
別に雨は嫌いじゃないんですが、洗濯物なり移動なりが通常の五割増くらい手間が掛かってるような気がして、イライラします

吉浦!
吉川さんに嫌われ浦!
ただの鈍感ツンデレ野郎に見えたら、それは貴女の愛です(`・ω・´)キリッ
別に私の書き方じゃない!←

なんか、半年くらい時系列合ってないです
合ってない部分はパラレル的なズレってことにしといてください…

なんか、相合い傘って可愛いです
全然、相合い傘してなかったですけど
多分、河野くんが石川にアプローチしてる辺り
柳はまだいない感じです

――――……





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