main | ナノ








「秀!好きだぜ!!」

最近、石川の様子が変だと井浦はやや冷めた思考回路で思った。
ぎゅっと強く井浦を抱き締め、石川よりやや低い位置にある井浦の頭を頬擦りして。
石川はここ最近、何処でも何時でもお構い無しに好きだとか愛してるとか言ってくる。
別にそれが嫌なわけではない。
寧ろ、石川からそういうことを言われるのはとても嬉しいことだ。
でも、いくらなんでも、ここまで言われると雰囲気に欠けるというか。
胡散臭く感じるし、疲れてくる。
友人たちの目もあるわけだし、恥ずかしい。
いや、もっとも今では呆れてる方が多いような気もしなくはないけど。

「石川」
「なんだなんだ、マイハニー!今日も秀は最高に可愛いなぁ!!俺はこんな秀を愛せることが誇らしくてたまらない!!もう可愛いなぁ!!秀!秀!!しゅうー!!」
「もう、やだ、この人!うざい!キモい!!」

常識人でいつも明るく全てを一般常識内で受け止めてくれる石川は何処に行ったんだ!!
井浦の切ない悲鳴にいつものメンバーは苦笑いをしている。
まるで仕方ないとばかりに。
いやいや、仕方なくないからね!?
そんな保父さんみたいな悟りを開かないで!!
井浦をこんな変態と二人っきりにしないで!!
保父さんは石川の仕事だろうが!

「いしかぁーくん、本当に井浦くんのこと好きだよね」

宮村が微笑ましそうに笑ってみている。
それに便乗して堀さんに吉川さんに仙石さんまで楽しそうに会話に花を咲かせていく。
おい、井浦の意志は無視かよ。

「秀のことを嫌いとか思うわけねぇだろ!!」
「いたいいたい…普通にミシミシ言ってますよ、石川さん」
「石川さんじゃなくて、透って呼べって何回言えば分かるんだ!!」

カッと開眼する石川にドン引きした。
やだ、この石川、マジ絡みにくいんだけど。
つーか、家まで来たらどうしよう。
家族になんて説明しよう。

「石川、お前、なんか変じゃね?」

うんうん、やっぱりストレートに聞くのが一番じゃね?
すると石川は目を見開いて、俺をおもいっきり抱き締めた。
さっきと何が違うというのでしょうか。

「俺は秀に出会えて幸せだなぁって今、改めて実感した」
「…そうですか」


なんか、言葉が通じない

井浦は放棄しかけた思考の隅で小さく溜め息を吐いた。


――――――…


本当、石川くん、どうしたんだろうね
いや、私の頭がどうかしてるのか←
多分、原因は支部に何となく書いたやつだわ(笑)
そして、言葉に出来ないのは井浦のことです
嫌じゃないけど、止めて欲しいっていうアレ

―――――……






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -