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※原作無視のパロディです。

かりかりかりかり、と。
引っ掻くのとは似て非なる音が部屋を断続的に包む。
古いラジオから聞こえる途切れ途切れでノイズ混じりの音楽。
一体、何年前の曲だろう。
からん、と乾いた音が奥の部屋から聞こえた。
古びた家は歩くだけで床が軋むため、キシキシと聞こえたその音から誰かが部屋に近づいてきているのが容易に想像できた。
使い込んだ筆を一回机に置き、色の滲んだ手で頬を拭った。

「井浦くん、調子はどうですか?」

控えめに襖を開いた柳は苦笑いしながら首を振る井浦に少し眉を下げた。

「堀さん怒るかなぁ…」

柳から視線を外し、正面の窓から丁度見える大きな煙突を眺めた。

「大丈夫ですよ。ほら、井浦くんも頑張ってますし!」
「はは、ありがとう」

煙突の中央に大きく描かれている大輪の花。
確か中学校を辞めて、この道に進むと決めた時に友人が寂しくないようにと描いたものだ。
もちろん、煙突の持ち主の許可など得てないわけで、その後持ち主の仙石さんにこっぴどく怒られた。
そんな歪な花なのに、どうしても俺にはそれを越える絵を描ける気がしない。
こっちに来てから知り合った友人で大家の柳。
凄く親切で良い奴、俺の仕事を良心的に見守ってくれる。

「そういえば、この間、スーパーで石川くんに会ったんです」

柳はほとんど外に出ない俺に外を教えてくれる。

「井浦くんの絵、好きだって言ってました」

柳はまるで自分のことのように嬉しそうに笑った。

「それと、無理はしないようにって」

お盆に載せてあった麦茶を机の上に置いて、井浦の横に腰をおろした柳は井浦の顔を覗き込むように言った。

「いつから寝てないんですか?隈、凄いです」

目の縁を指差し、表情から笑みを消した柳に井浦は諦めたように溜め息を吐いた。

「三日くらい」

すると少し怒ったように眉間にシワを寄せた柳が井浦の腕を掴んだ。
こうなることが分かっていたのか、井浦は特に抵抗する素振りは見せず、柳の方に身体を傾けた。

「あかねぇー…」
「なんですか?」
「じゅーでん」

井浦がそういうと暗に意味が伝わったのか、柳は笑って井浦の腕から手を離すと背中に手を回した。

「あかね…俺、才能ないかなぁ…」

柳の胸に顔を埋めた井浦は弱々しく呟いた。
そんな井浦の様子に苦笑いをして。

「僕は井浦くんの絵、好きですよ」

ぎゅっと腕に力を込めた。


人恋し君に

どうか、僕の温もりを


――――――…

俺得パロディ!!

井浦→画家
柳→大家
仙石→銭湯の店主
石川→スーパーの店員
堀→井浦の契約会社の上司(井浦くんはきちんと絵を買ってもらってます←)
宮村→新聞記者
進藤→カメラマン
谷原→花屋の店主(笑)
レミ→不動産の娘
桜→土産屋
吉川→仕立屋のバイト
北原→学生


上手く書けないと不安になって寝れなくなっちゃう井浦って可愛いと思うんです←

って、凄い適当(笑)

書いて気づいた
パロディの必要なくね?
いや、パロディが書きたかっただけなんです←

―――――……






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