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仙石君のね、肩は凄く細いの。
私が手を回してぎゅっと抱き締めるとびくりとその細い肩が震える。
小動物のような、そんな繊細な貴方がとっても好きよ。


「今年のクリスマスは、宮村君の家のケーキを買おう」

大学生になった私達は、別々の大学に通うようになった。
一緒にいる時間は自然と減ってしまったけれど、あの頃と何が違うのかと言われたら、それは私達の関係が仙石君の家族に認められるようになったことだった。
大好きな彼と一緒に過ごせる。大好きな彼の家族と仲良くなれた。
私は幸せなんだと思う。
貴方は、いつも私に幸せをくれるの。貴方は知らないでしょうけど。

「イヴはどっちの家で過ごす?」
「レミの好きにしたらいい」

甘い恋人繋ぎの手から伝わる低い体温。
全然暖かくなくて、少しだけ笑えた。

「んーじゃあね、去年はレミの家だったし、今年は仙石君の家にしようかなぁ……仙石君の方は用事とか大丈夫なの?」
「……堀家の襲来がなければなんとか」

苦虫を潰したように言う。
一体どんなトラウマがあるというのか。
何回か誘われて行ったことがある仙石君の幼なじみの家は明るくて温かくて、何だかあの二人にピッタリだった。

「でも、当日は宮村君忙しいと思うし、あーいや、あそこにそんな常識が通じるとは……」

どんな認識なのよ。
くすりと口に出して笑うと、怪訝そうな顔で仙石君が此方を見てきた。
真っ赤に熟れた瞳が私を見つめる。それをうっとりと見ていたいけど、それじゃ話が進まないから私は繋いだ手をぐっと引き寄せ、腕同士がぶつかる距離で寄り添った。

「いいよ、レミは翔君と一緒なら何処だって」

名前で呼んであげれば、繋いだ手にぎゅうっと力が込められる。
仙石君は何も言わなかった。でも、言わなくてもいいよ。
だって、

「仙石君、顔真っ赤ぁー♪」
「俺の恋人が可愛いのがいけないんですぅー」
「自慢の恋人ですなぁ」
「超自慢の恋人だよ、レミ」
「ふひひっ、ありがと♪」
「ふ、ふひひっ!?」


貴方は誰よりも分かりやすい。



――――――……


レミ仙とか書いてるの、もうほぼただのひねくれです
仙レミでいいじゃない
どっちも十分可愛いわよ






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