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私は宮村のことを愛してる。
他の誰にも負けないくらい深く深く。
でも、たまに思うの。
私は誰にも負けないくらい愛してるんじゃなくて、誰にも負けたくなくて宮村を愛してるんじゃないかって。
そんなわけないのに。


宮村の首は凄く細い。私の両手でもすっぽり回るくらい細い。

宮村の首の後ろで中指と中指がぶつかるのを感じ、ぎゅっと親指を押し込むと喉仏がちょうど指の腹に当たる。そこをこりこりと何回も擦ってあげると宮村は不規則にか細い声を上げた。
首に手を回す拍子に馬乗りのような姿勢になっていたので、体重をかけるのに苦労はしなかった。

ぎゅっと、
宮村に両手首を強く握られる。

痛くて、愛しい。私の細くて白い宮村の指が私の手首に回っているのだと思うと、ぞくぞくと背筋を炙られるような興奮を感じた。
音もなく声を上げる宮村の口が半開きの状態で止まってるのを良いことに私は唇を落とす。

くちゅ。

形のよい唇を一舐めし、啄むようなキスを繰り返しては深く宮村の舌に吸い付く。だんだんと濃くなっていくキスに酸素が足りなくなるのを感じたけれど、止められない。
首に回っていた手が宮村の顔の横に移動して、頬を挟むように固定した。宮村が逃げないように。

息が苦しいと思い始めた時、唐突に宮村の右手が私の肩を押した。

もちろん、酸素の足りてなかった私には抵抗なんて出来なくて。逆に宮村に押し倒されるような体勢となってしまった。宮村は荒く肩で深呼吸をし、呼吸を整えようとする。その本能のまま動く野性的な仕草が堪らなく好きだ。
深い口付けにより潤んだ瞳と濡れた唇には深い情欲が見え隠れしていて。私は口角をそっと吊り上げる。それから宮村の喉がごくりと鳴るのを感じ、私は宮村の手を自身の乳房の上へと導いた。


「ねぇ、宮村。好きよ」

そう呟いたのを皮切りに宮村の唇が私の首筋に食らい付き、歯を立てた。ぷつりと、おそらく皮膚が裂けたのであろう。もしかしたら肉が千切れたのかもしれない。執拗にそこに舌を這わす宮村の頭を撫でながら私は微笑んだ。

宮村。好き。愛してる。
誰にも負けないくらい、負けたくないくらい。
負けないくらいに愛して、負けたくないくらいに愛した。

私の、唯一の人。







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