「カノはこうやって、誰にでも股を開くんスね?」
セトの分厚い手が太股を撫でるように這う。ベッドに押し倒されている僕の手は紐のようなもので拘束されていて、その手から逃げることはできなかった。
いや、逃げるつもりはなかったのかもしれない。
セトはああ見えて処女にしか興味ないし、本命はマリー。僕に脈なんてなかった。
ずっと一緒にいたくても突き放されるのが怖くて、だから、これは好都合だったのだ。
そんな僕の無抵抗を何と解釈したのか、セトは苛立たしそうに舌打ちをする。
「…ビッチが、」
萎えたのかもしれないと思ったけど、そんなことはなく、セトは嫌な笑みを浮かべると、
「きっと淫乱なカノのアソコはがばがばで緩いッスから、締め付け方を教えてやらないとっスね。あ、もしかしてローション無しの方が締め付けいいんスかね?」
嗚呼、明日は起き上がれないかもしれない。
潔く力を抜いて、跨がっているセトの尻を足で蹴りあげてやる。
「ご託はいいから、抱くなら抱くで早くしてくんない?」