※セト→→→カノ
「カノは俺のなんスよね?」
低い声で囁くセトに思わず、ひっと小さく声が漏れた。
後ろに下がろうとすると扉に背が当たり、横に逃げようとするとセトの手が退路を塞ぐように顔の横に伸びてくる。
「カノは俺のなのかって聞いてるんスけど?」
強引に顎を掴まれ、目を覗かれる。
やばいっ…盗まれる!そう思い抵抗しようとセトの手を退かそうと体を捻ると、顎にあった手が首に伸び、そのまま扉へと叩き付けられる。
「うっ…ぐぁっ!」
強い力で顔を固定され、セトと目が合う。セトは何を考えているのか分からない笑顔を浮かべたまま、目を赤く染めた。
「へぇ…カノはそんなこと考えてたんスか?」
優越感にも似たセトの表情に恐怖を覚える。膝が震え、腰が抜けるのを感じる。内蔵がきゅうっと悲鳴を上げ、目尻からぽろぽろと滴が溢れ落ちた。
座り込んでしまいたい。でも、セトはそれを許さない。
セトはにこにこと笑ったまま、僕の足の間に右足を入れると、
「また最初から教えてあげなきゃダメっすね」
噛みつくようなキスをした。