現在進行形 | ナノ


ネタバレ後半
2014/04/01 00:01

コミック本誌ネタバレ。

まず、遊園地の帰りにクロハに殺されます。
その後、何故か時間が戻り8月14日か8月15日くらいに戻る。
分岐はエネとシンタローの行動。パソコンを壊すのではなく、兎の餌を駄目にする。そしてコーラ、またお前か(笑)
モモが家に帰ってきている。
買い物に行く途中でヒビヤとヒヨリと出会う。
結局、公園に行くことは回避出来なかったらしく、ヒヨリからSOSの信号を受け取る。ちなみにヒビヤは携帯を持っていない。というより、何故SOSがヒヨリから送られてきたのか、という疑問。ヒビヤではなく、ヒヨリです。

時は少し戻りまして、デパートのテロにメカクシ団が遭遇。これは回避できないみたいですね。カノがそれに同行しているっていうのは考えすぎかな…。多分、覚えてない……と思われます。
テロはコノハが止めます。コノハはヒビヤを助けようと動いて、メカクシ団と接触したようです。微妙に日付がずれてるような気がします。
んで、ヒビヤたちの捜索に駆り出されたシンタローがキドと遭遇。お金を借ります(笑)
モモはカノ、コノハと遭遇。コノハの小脇には気絶したヒビヤ。結局、ヒビヤをモモが奪って逃走。
カノの発言でこのループは最初からシオンの手記を手に入れていること、またカノが記憶の持ち越しを恐らくしていないことがわかります。
そしてヒビヤは気絶した状態で倒れていた。

シンタローとモモは合流して家へ。ヒヨリはいません。エネの捜査網にも引っ掛からない。
カノが勧誘にくる→終わり。


理想としては先走ったカノをセトかキドが頭を引っ叩きながら今のはなかったことにしてくれと仕切り直す感じのやつ。というか、よく住所分かったな。
殿は♀。どこのエロゲだよ。ちょっと気になるのが悔しい。

セトやマリーがまだ出てないのが気になりますが、よくよく考えるとマリーは引きこもりでセトはバイトマンなんですよね。
セトとカノがなかなか絡まないのは相性が悪いからだと思っていたのですが、小説を見る限りそれはなさそうですね。寧ろ、絡まなくても意思の疎通が出来そうなレベルで仲良かった。あんまり一緒にいるとカノはセトに寄っ掛かって依存して、ストレス抱え込みそう←偏見
逆にシンタローの初期好感度の低さと上昇率に驚きが隠せません。さすがチート。シンタローの頭のよさは一体いつ発揮されるのかは甚だ疑問ではありますが(笑)


セトのカノは照れ屋で滅多に笑わない発言が彼氏すぎる上に嘘の笑顔は全部見破ってるぜっていうラスボス宣言。セトさんに敵うわけないッスよ!
あ、あと、この「ッス」。当サイトでは余程面倒臭くならない限り、セトの語尾は片仮名で統一していたのですが、原作では平仮名でしたね。見映えの問題で片仮名にしてました。
多分、これからも片仮名じゃないかなぁ。それと今さら公開できないヒビカノをどうしようかと悩んでます。口調や設定がまるで噛み合ってなくて、当時の私はどんだけ夢を見ていたのか。初期シンタローはヘタレ強調する意味で敬語でさん付けだし、アヤノの口調も奔放さを前へと押し出すように書いてます。
そしてキドに女の子らしさがない!
わりと男前になったの最近なんですね。そういや前に中二になる経緯が書いてありましたね。
107の番号は一体どんな願いを込めて付けられたのか。化け物ではなく、正義のヒーローって感じなのかな。
他の分岐にアヤノの行動が絡んでそうですね。アヤノの幸福理論だとカノとアヤノがそんなに親しそうじゃないし。

字数が余ったのでSSでも貼っときます。
半年くらい前のやつなので矛盾してるかもです。


『誰でも死ななくちゃいけない。でも私はいつも自分は例外だと信じていた。   ウィリアム・サローヤン』



 四畳程度の狭い間取りの大半を三段の背の低い本棚とベッドとが占める。折り畳みの簡易テーブルには内職用の造花と段ボールが肩身狭そうに置かれていた。ピンクの愛らしいカーテンの下には小さな植木の赤い花。
 私物で溢れかえった四畳の空間はマリーの領土だ。主人の内面が反映されたかのように可愛らしい室内は決して綺麗というわけでも整理がされているわけでもない。されど汚いというには小粋な、マリーの人となりを表しているようだ。
 室内には年頃の生娘が好むようなぬいぐるみはほとんどない。マリーは元来人形遊びを好まない少女だった。人形なんて手に入りにくいもの、望む術もなかったからだ。それをあまり気にしたことはなかったが、こうして室内を改めて見返すと少女の部屋と呼ぶには少し雰囲気に欠けるかもしれない。
 意識して部屋を気にしたことなんてなかったせいか、そんな視点にマリーは自分のことながら違和感を覚えた。
 マリーが世間一般でいうところの女の子の部屋と合わせるなんて考えたことがなかったのは偏に此処で暮らす住人によるものもあった。例えどんなに変わっていようと笑って「それはそれでマリーらしいからいいよ」と受け入れてくれる。そんな存在の有り難さを改めて認識した。
 思い出すのは常に彼らと歩んだ日々。一秒一秒が怖いくらいに輝いていた黄金期。きっと私は何百年と先もあの日のことを昨日のように思い返すだろう。
 人とは少し異なった、けれど異質とも違う、人よりほんの少しだけ特異な自慢の仲間たち。
 嗚呼、彼らは私の知らない場所で知らない時間を知らない誰かと歩んでいく。それを見届けることが叶わないなんて、なんと不幸なことだろう!
 私はまだ何も返せていないのに、返せていたとしても受け取らないだろうあの人たちよ。私はもっとあなたたちの傍で歩いていたかった。
 彼らは進む。私の知らない世界を。私のいない世界を。私の手を取ってくれた世界で、また歩んでいく。私は思い返す。
 変わりたがっていた少年は理解しようと努力してくれた。変わろうとしていた少女は一緒に心を痛めてくれて、変えたがっていた少年は分からないままに受け入れてくれた。変わっていた少女は歩みを共にし、変わらずにいようとした少年は黙って前に進んだ。変えようとした少年は真っ直ぐに手を伸ばし、変えたくなかった少女の手を引く。変えられなかった少女は、変えたかった少年のもとへ。全てを変えた少女が、変えてほしかった男を止め、“変”えりたかった蛇を終わらせた。
 不安定で変わりやすい彼らはゆっくりと歩みを進め、やがて大人へと成って行く。彼らの少し長い夏は終わろうとしていた。

「セト。キド、カノ。モモ、シンタロー。ヒビヤ、ヒヨリ。エネ、コノハ。アヤノ、ケンジロウ、」

 エンドロールでキャストの発表なんてベタ真似、だけど悪くない。なかなかに悪くないじゃないか。そこに私の名前はないけれど、私は。

 その日、変われずにいた蛇の少女は森へと去った。
 少女は変われたのだろうか。ただマリーの部屋には赤い花が、所有者を失った花が所在無さげに揺れていた。



 物置部屋を片付けようかと戸を開けると、そこはまるで数日前から誰かが住んでいたかのように片付いていた。

「これは、セト……じゃないな。カノにしてはやけに、」

 箒を床に置き、キドは窓を開ける。
 換気がされていたみたいに室内は埃っぽくないし、何処か生活感を感じさせた。いや、別段物が置いてあるわけではない。寧ろ物置部屋としては物が無さすぎるくらいだろう。なんだったら階段下の押し入れのものを此方に移したいくらいには広々としていた。何故ここに今まで物を置こうとしなかったのか我ながら理解できないくらいだ。
 しかし、生活感。室内には物とは違う独特の雰囲気というものがあった。フローリングの傷や壁の染みや日焼け、カーテン、それと匂い。酷く懐かしい花の香りが、部屋に広がっていた。
 芳香剤じゃ再現できない、人となりのような香りに何故かキドには心当たりのようなものがあった。だが、それが誰なのかは分からない。靄か何かが掛かったみたいに曖昧で思い出すことが儘ならない。
 喉に刺さった小骨のような気持ちの悪い違和感に眉を寄せた。
 何か大切なことが、大切な何かが、ここにいた気がする。
 ふと視線を床に落とすとそこには萎れた花弁が落ちていた。赤黒い、元は綺麗な赤をしていただろうその花を見て、ぎゅっと胸を締め付けられるような、そんな錯覚をした。


 あれ、とカノが首を傾げたのは送られてきた荷物を開いてからだ。心当たりもないものを勝手に開くなとキドは怒るかもしれないが構わなかった。開けたもん勝ちだ。
 しかしこれはどういうことだろう。
 段ボールの中には内職用らしき未完成の造花が並んでいた。セトが遂に内職にまで手を出したのだろうか。いや、セトという男の性格を考えて内職はあり得ない。だとしたらキドか?
 そんなに家の家計は危なかったのだろうか。内心ひやひやしながら宛名を見て、カノはまた首を傾げた。
 宛名が掠れて読めない。
 なのに、その名前に見覚えがあるような気がしてならないのだ。
 奇妙な既視感がちりちりと脳裏を掠め、カノはそれを振り払うように頭を振った。
 まず、見えもしないものに覚えなんてあるはずがない。


「すみませーん! ちょっと道に迷っちゃって、尋ねたいんですけど」
 白いパーカーを着た少年が扉を叩きながら言う。扉の向こうでは焦ったような息遣いと、何かが散らばるような音。少年は扉の向こうに誰かがいるのだと確信し、それがマナー違反だと分かっていてもノブに手を伸ばした。
 数十秒先の未来で、石になってしまうのだと言う住人に少年は笑う。自分も石になってしまうと怯えて暮らしていたのだと、それから。
「世界はさ、案外怯えなくて良いんだよ?」


 緑の服が彼のイメージと合致するようになってから久しい。白い無垢なパーカーを脱ぎ捨てた少年がゆっくりと青年へと変化していく。それを端で感じながらキドは緑の背に続く。
「本当にこの先でいいのか?」
「間違いないッス」
 進む先は果てしなく木と草とが続く獣道だ。道らしき道も鬱蒼と生い茂る雑草に阻まれ歩けたものじゃない。何時もなら裾を捲し上げているズボンも出来るだけ下ろし、靴下もしっかりと履いてきた。セトは気にしてない風だったが、明らかに迷ったで済まされるレベルの道ではないじゃないか。道理でカノが出掛ける直後に姿を眩ます筈だ。
「こんなところに人が住めるとも思えないんだが」
「マリーが住んでるのはもう少し先の、拓けてるところ」
 セトは足で草を踏み鳴らしながら進む。歩きやすいようにと気を使ってくれているのだろう。その気をもっと他のところで使ってほしかったよ。
「マリーがもし、来ないって言ったらどうするつもりなんだ?」
「今までと変わらないッスよ。まさか勧誘を断られただけで行くのまで止めるのなんてあんまりじゃないッスか。それに、マリーは友達ッス」
 セトの言う友達のニュアンスは時折酷く重く生々しい。本人はそれに気付いているのだろうか。いや、そんなことどうだっていい。どうであろうとセトはセトに変わりないのだから。
 セトが不意に足を止めた。
「あ、ほら、あそこの花畑。あの花畑を抜けると直ぐにマリーの家ッス」



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