キジくんが来た昼休み、僕は中庭に行かなかった。
まあキジくんがわざわざ来てくれたのに追い返すのも悪いし、付いてこられても困るからだ。
キジくんは気付いてないのか、僕にそれを指摘したりはしなかった。
「カノ、悪いが頼まれてくれるか?」
昼休みが終わり、キジくんがクラスに戻ると入れ違いに先生がやってきた。先生は僕を見つけると僕に近付き、一枚のプリントと封筒を渡す。
「これ、なんですか?」
「生物部に頼まれてたやつ。俺これから出張だから放課後までに届けといて」
「え、」
それだけ話してしまうと先生は本当に時間がないのか、そそくさと立ち去ってしまう。
半ば強引に押し付けられた物を見つめ、やがて先生の発言を思い出す。生物部か……なんのために避けたと思ってるんだよ。
溜め息を吐きながら時計を見る。もうすぐ授業が始まる。今から向かうのは無理だし、渡すのは放課後になってしまうだろう。
早めに向かって、かち合わないようにしないと。
プリントと封筒を鞄に仕舞い、前を向くとキドが帰ってきていた。今まで何処に行ってたんだか。
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間を置いたから読み返していたのですが、誤字を見つけてしまい、軽く死にたい気分です。
まとめる時に直します。