現在進行形 | ナノ


輝かんモブ男(笑)
2013/08/25 11:48


 僕は元々カゲロウ学園には男子生徒として入学する予定だった。
 幼なじみのセトとキドと三人で。キドは女の子だから寮は離れちゃうね、なんて話したりもした。
 でも実際には僕は女の子として入学をした。目を欺く能力を使って、中等部からずっと女の子。高等部に上がる頃には髪も伸びて、小柄な身体が幸いしてか下手な女の子よりも女の子らしくなった。
 けれど、それに比例するように幼なじみのセトに距離を置かれ始めた。当たり前だ。黙って女の子として入学して、男なのに女臭くて。こんな女装癖のある幼なじみを気持ち悪く思わないわけがないんだ。
 キドとはよく同じクラスになるけど、セトとはクラスが被ったことすらないんだから余計に接点はなかった。

 そして何より、セトは僕が女装して入学したわけを知らないのだから避けられても仕方がない。


「カノ、風呂空いたぞ」
「あ、うん」

 カゲロウ学園は体育会系の部活動が盛んで、全寮制ということも手伝ってか各部屋に小さいながらもシャワールームが設けられている。大きな風呂に入りたい場合は大浴場もあるが此方は時間が細かく割り振られていて不便だったりする。
 同じ部屋がキドで良かった。すっかり女の子の姿が板に付いてしまった今も念のためにと能力を使っているがキドと同じ空間にいるときはその心配がない。能力を解くとほんの少しだけ身長が伸びた気がする。キドは気のせいだとばっさり切り捨てた。

「お前、髪の毛伸びたよな」
「そうだね」
「明日は俺が編むから」
「えー? じゃあ僕もキドの髪編もうかな」
「断る」
「なんで!?」
「お前のは凝りすぎて自分じゃ上手く直せない」
「なんだ、そんなことかぁ」

 そういうとキドはそんなこととはなんだとばかりに頬を赤らめながら睨み付けてくる。可愛い。
 風呂の用意を床に下ろすとキドの隣に行き、手を握る。やっぱりシャワーだけじゃ温まらないのかな、キドの指先は少しだけ冷たい。僕も大浴場に入れたらいいんだろうけど、それは流石に怖いから。今度、エネちゃんに頼もうかなぁ。

「キド、髪の毛くらいならいつでも言って。僕、キドの髪触るの好きだよ? だからもっと我が儘になろうよ。ね?」

 キドの手を包み込み、笑うとキドがガバッと抱き締めてきた。ぎゅうっと絞められて逆に苦しい。けど、温かくて気持ちいい。

「お前さ、もう彼奴なんか止めて俺にしろよ!」

 うわっ男前。
 そんな格好いいこと言われたら惚れちゃいそう。
 キドはわりと真顔で惚れとけ、と返した。



―――――――――――――――

 二話目にしてまさかの番外編でした。閑話休題。本編はわりとサクッと進んでしまうので。

 一応、設定みたいなの。

年齢操作有り

高等部
三年:貴音・遥
二年:文乃・伸太郎・回音・木葉
一年:鹿野・瀬戸・木戸・玄葉(ダブ)
中等部
三年:桃・茉莉
二年:×
一年:日和・響也


※遥達がいるので伸太郎の年齢が繰り下がり、結果として桃も若返りました。
 木葉と玄葉は双子、玄葉は一年の時に問題を起こしてダブってます。ちなみに字は当て字。黒よりは玄の方が名前的には良いんじゃないかなぁ……我が子に黒って字はなかなか使わないっしょ。仲間内では木葉と対比して黒い方、略して黒葉ってことで。グループでの提出物によく間違って黒葉って書かれてキレます。
 回音は貴音から一字。もう一字は下手に絵とか恵よりはらしいかなぁって理由で取りました。
 ちなみにクラスは貴音と遥、伸太郎と木葉、文乃と回音、瀬戸と玄葉、木戸と鹿野。他もそれぞれ同じクラスです。
 ちなみに瀬戸と鹿野のクラスは端から端、モブは鹿野の隣のクラス。名字はともかく名前にピンときてもお口チャック。私の腐りきった趣味です(笑)
 桃太郎よりサルもイヌも可哀想だったのでキジくん。モブについては当初モモ♂かシンタローの予定だったのですが、途中絶対肩入れしてしまいそうなので敢えて使いきりにしてみました。
 mainにまとめるときは名前のところを自由変換にするつもりです。
 寮の部屋割りは同性の二人一部屋。だいたい学年ごと。
 日和と響也も別々にペアがいるんじゃないかな、よくわからん。高校三年は一人一部屋に正当な理由と希望があれば移れる。
 貴音と遥は事情有りで特別管理室の近くの部屋を借りていて、短縮の子機が置いてあるかもしれない。まだ詳しく決めてないけど。
 管理人は小桜夫人。




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