▽07:あらあら、なんてお行儀の悪い



※グリーンが女誑し


つまみ食いは止められない。
たとえ見つかっても、君が一番だよと抱きしめて耳元であまく囁けば許してくれる。
選り取り見取り。
お菓子みたいな女の子たちを、お菓子みたく選んでいく。
今日はあの子、明日はあの子。
だけどそれよりあまいものが食べたくなった。

「レッド」

散々、食べ散らかしたあとで。
だけど、所詮全部つまみ食い。
食べたりない。
それでもつまみ食いじゃなく、メインディッシュを食べる気はない。
メインディッシュは胸焼けがするから。

「レッド」

目の前の彼はどれぐらいあまいだろうか。
つい手を伸ばしたけど、彼があまいとは思えない。それでも。

「んっ」

すり、と頬を擦れば予想外にあまい声が漏れてきてそれに口元を上げて笑みを浮かべる。
そして、ナイフもフォークも使わずに、ナプキンを膝に置くこともせず。

「いただきます」

大きなその赤い目に映るおれは、不敵な笑みで舌舐めずりをしていた。