「なぁ、このままXANXUSから逃げ切れると思うかぁ?」

「「無理だろ」」

「だよなぁ…………」


〜何だかんだで〜


水ポチャした後前世で培ったあれとかそれとかで何とか共食いは回避した。俺頑張ったよ…………!!何回かかぶりつかれそうになって、結構危なかった………。そしたら水底まで来てたみたいでさ、下に人の気配したから見てみればディーノの部下がいたんだよな。俺もびっくりしたけど向こう目玉こぼれ落ちるんじゃないか、ってくらい目見開いてたから逆に冷静になっちゃったんだよね。あれだよ、自分よりテンパってる奴がいると冷静になれる法則。そんで今何とか医院にお世話になってるんだけど俺言うほど怪我とかもしてないから普通にピンピンしてるんだよね。だからこのまま裏社会から足洗って普通にシャバで暮らせるかな、と聞いてみたら即答されたよ!まぁ俺もそう思ってたけどな!

「今日は何戦だぁ?」

「今日は雲戦だぜ。…………どうか、したか?」

そうか、今日雲戦か………。たぶん帰ってきたらしこたま俺を責めるぞこいつ。あーやだやだ。言っとくけどなぁ、俺は止めたんだぞぉ!!ちゃんと止めたからなぁ!!!!

「いや、何でもねぇ。それよりお前は行かねぇのかぁ?」

「恭弥の戦いに、ってことか?でもなぁ………恭弥の奴、ゴーラ・モスカなんて眼中に無いみたいだぜ?」

「………いや、行け。手遅れになるぞぉ」

「………スクアーロ?お前………何か、知って」

「ボス、大変だ!!」

俺的にちょうどいいタイミングでディーノの部下が転がり込んで来た。門外顧問から連絡着たんだろうなぁ。

「………あとに、」

「行ってこい。安心しろぉ、俺は逃げねぇ」

そんなに俺の口から聞きたいのか?悪いけど俺ヒントしかやんねーよ?だってモロに喋ったら殺されるじゃん………XANXUSに。

「…………絶対だぞ」

「しつこい男は嫌われるぞぉ。とっとと行ってこい」

「……………っ、」

「行こうぜ、ボス」

ロマーリオが諌めてやっとディーノは出て行った。ロマーリオカッコいいよな。何て言うの?渋くてさ、大人の男って感じ。………関係無いか。あーでもやっぱ見張り立ててくよねー。そりゃそうだよなぁ。逃げねぇって言ったけど暇で仕方ないぜぇ。




「スクアーロ!!!!」

「煩ぇ、聞こえてるぞぉ」

扉を音を立てて開け放ったのはやっぱりディーノだった。どうやら9代目は此処と違う病院に連れてったみたいだな。

「お前、何で!!」

「っボス!」

俺の胸ぐらを掴むディーノをロマーリオが諌める。一応俺怪我人だって忘れてねぇか?こいつ。言うほど大した怪我じゃねーんだけどさ。

「言わなきゃ分かんねぇのかぁ?」

「!……………くそっ!!」

手を放し思いきり壁に叩きつける。痛くねぇのか?それよりも、

「明日はどうなんだぁ?」

「…………明日、全ての決着がつく。大空のリング戦だ」

「そうかぁ」

全員集合って訳だ。俺どうしよう、ヴァリアーとして参加すべき?何もしない方がいいか、そっちのが穏便に済むだろうし。つーかあいつ等の反応が読めん。「うっわ何で生きてんだよ」って反応だったら俺が泣く。あ、いいや。そういう反応だったら俺ヴァリアー脱けよう、そうしよう。そんで俺は日々を平凡に生きるんだ!自由をこの手に掴むんだ!!

「…………スクアーロ?オレの話聞いてたか?」

「1つも聞いてねぇ」

「お前なぁ!…………はぁ。スクアーロ、お前………変わったな」

「あぁ?」

いきなり何を言い出すんだこの坊っちゃんは。俺が変わった?どこが……ってあぁ、

「髪か」

「違ぇって!何でそこで髪になるんだよ!性格だよ性格!」

性格?………俺的には前世から何ら代わり映えしないと思ってるんだが。ちなみに俺が髪を伸ばしてる理由は願掛けじゃないぜぇ。叶わないって知ってるのに願掛けしないし。ただ単にXANXUSに脅されただけなんだよな、8年前に。何か髪綺麗とか何とか伸ばさないとコォォオォオオみたいなさ。つーかそれを言うなら、

「お前は何ら変わってねぇなぁ?ディーノ」

「っ!…………」

いやまぁ別にディーノの性格そのまんまでいいと思うけどね。ヘタレでビビりだったからこいつはいいボスになれたんだろ?
XANXUSはどっちかっつーと黙って着いてこいって感じだからな、うん。

「じゃあそろそろ俺は行くぜぇ」

「それは出来ない」

ガッとディーノに腕を掴まれる。余談だが俺は義手じゃなくて両方共生の腕だ。……かなりどうでもいいな。

「奴等の不利になるからかぁ?」

「それもある………けど、」

ディーノが言葉を濁す。…………ここ濁すところか?つーかもって何だよ、もって。他にも理由あんのか?無くね?んでロマーリオは何で笑ってんのよ?すごい楽しそうだね俺にも笑える理由教えてくれよ!

「けど何だぁ?」

「〜〜〜〜〜〜っ!べ、別にいいだろ!!お前、一応怪我してるんだし安静にしてろよ!」

「はぁ?」

何が言いてぇんだこいつは。そしてついにロマーリオは堪えきれないといった様子で大笑いし出した。だから、何で笑ってんだよ?まぁ正直此処でこの2人相手にドンパチやらかして逃げるなんてハイリスクで面倒なことは俺だってしたくない。

「明日、大空のリング戦にお前も連れて行く。でもそれは、観戦者としてだ。守護者としてじゃない」

はいはい、手も足も出せない状況で指くわえて見てろってことね。あーぁ、XANXUSに俺殺されちゃいそう。


fin.





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