ゴースト(55/64)
突如戦場にやってきたそれ。俺に見えてるってことはこいつは幻覚じゃない。それ以前に何なんだ、こいつは。悪寒が走る。こいつは、やばい。
「雷の…真6弔花」
「ししっ。ってことなら、先手必勝♪」
ベルの投げたナイフはそいつをすり抜けた。ホログラム?んなもん照射するもんも場所もねぇ………実体のない分身か?そんなもん聞いたことねぇぞ………。
「複合属性の炎なら効くかもしれません!!獄寺殿、笹川殿、今こそ匣コンビネーションです!!」
太炎嵐空牙!!!
「ほう、凄まじい合わせ技だ」
「すんげーの」
どうなんだこれは………効果があるなら良し、ないなら………本気でバサラを使わないといけないかもしれない。
「!?」
「!!瓜ィイ!!!」
「待て!!何か来るぞ!!」
それから飛び出してきた………触手、か?それがおチビちゃんに当たり体力を吸いとった………いや、炎を吸収したのか?味方もろとも無差別攻撃かよ、XANXUSの炎も吸収されるし指輪から炎だだ漏れだし。とりあえず指輪はポケットにしまう。匣兵器もほとんどやられてんなぁ、あの触手に触れたらアウトって訳ね。さて、徒に戦力減らす理由もないしな…………バサラ、やってみっか。
前世において、俺が最初に発現させたバサラは闇だったらしい。らしい、というのも正直な所俺にはその時の記憶がないからだ。それから闇のバサラが発現することはなく、代わりと言っていいのかそう時が経たない内に俺は風のバサラを発現させた。それから数年後、忍の修行をしていた時に突如闇のバサラが発現したのだ。で、バサラっていうのは人にもよるが色がついていたりする。特に風と闇のバサラには顕著に現れる。あとは光もかな、逆に炎や氷はあまり色が変わらなかったりする。雷はついてたりついてなかったりって感じだ。じゃあ俺は何色かと聞かれれば、ない。風のバサラに関しては本当に無色で、闇のバサラは真っ黒。理由は分からんが、まぁ便利だから気にしない。そして俺の風のバサラは鎌鼬みたいにいろいろスパスパ斬ったり風を巻き起こしたり空気中の濃度を弄くったりと用途は幅広い。物を斬る時は武器を媒介にするんだけどまぁそこら辺は置いといて、闇のバサラは一言で言ってしまえばお市の方みたいなタイプだったりする。つまり地面から黒い手が生えてきたりする訳だ。ちなみに俺の場合その間気絶したりする訳じゃないからちゃんと意識はあるし敵に直接攻撃したり出来る。あとは範囲決まってたり手の大きさとか形とかいろいろ変えれるんだけどここでは割愛する。
とりあえず、あの触手を闇のバサラで迎え撃つのが1番か。周りに悟られないように慎重に闇のバサラの有効範囲を広げていく。一応範囲に全員入っただろう、あとは念のためお守り持ってる面子は強制的に結界張るかな、バサラ久しぶりだから巻き込むとあれだし。………………よし、
(黒千手!)
ぶわぁっと有効範囲から巻き上がる真っ黒な手×たくさん。ハガレンの真理の扉のあれ、って言えばイメージしやすいか。昔そう言われて散々からかわれたし。
「何なんだこれは!?」
「有人、てめえ…………」
あぁ、何かXANXUS怒ってるな。やっぱここの俺もバサラ使ってないよねー。…さぁてこいつがあの怪物に効けばいいんだけど。
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